缶ビール

胃もたれや胃潰瘍など多くの人が悩む胃の病気。

がんの死亡率1位は肺がん、次いで2位は胃がん、3位に大腸がんとなっている。

消化器内科医の三輪洋人氏が胃がんに関する解説をしていたのでご紹介。

三輪氏は兵庫医科大学で主任教授を務め、胃がんや食道がんなど年間200件以上治療を行う胃のスペシャリストだ。

その中で驚きの事実を語っていた。

それは「お酒を飲む前に牛乳を飲むと胃に膜を張って胃を守ってくれるというのは全くのデタラメ」という事。

よく「今日は飲むぞ!」という前に、牛乳を飲んで胃に膜を張ると良いというように言われているが、その効果はほとんど無いという。

牛乳はたんぱく質なので胃酸で凝固してあっという間に膜張らなくなってしまう。

そのため牛乳を飲んだとしても、その効果はほんの数秒で切れてしまうのだ。

その他にも悪酔いしない方法や胃がんに関する情報を以下のように解説している。

 

悪酔いしない方法

いきなり強いお酒を飲むとかなり胃が荒れてしまう。

実はその前に弱いお酒を飲む事が非常に大事であって、弱い刺激を胃に与える事によって胃を守る物質「プロスタグランジン」ができる。

強い刺激に対して胃を守ってくれるので、一般的に言われている「とりあえずビール!」というのは利にかなっているというわけだ。

お酒を飲む事自体は胃に良くない?

お酒は「百薬の長」といわれているように、少量飲む分に関してはリラックスでき、食欲を増し、血行を良くする効果が期待できる。

たくさん飲みすぎるとガンができるリスクが高くなるといわれているので、飲み過ぎには注意したい。

胃ガンとお酒の関係性

実はお酒と胃がんは関係がなく、胃がんの99%はピロリ菌によるもの。

かわいい名前だがピロリ菌は胃の中に棲む極悪菌。

全員がピロリ菌を持っているわけではなく、50歳以上の人で約半分。

衛生状態と関係するので若い人は10~20%くらいしかいないといわれている。

ピロリ菌の感染経路

生まれた時はピロリ菌は存在しない。

一番多い感染はお母さんの口から口などによる、口内感染

よく赤ちゃんに消化しやすいようにと一度噛んだものを食べさせる事があるが、実はあれもよくない事だという。

「じゃあ異性とキスするのもいけない?」と心配になる方もいるかもしれないが、ピロリ菌がうつるのは5~6歳くらいまで。

免疫力が備わってからはピロリ菌が入っても感染まではいかないので、いくらキスしても大丈夫。

ピロリ菌は簡単に治療できる

子供のころに感染して30~40年ずっとピロリ菌が感染している内に胃の粘膜が荒れて萎縮性胃炎になって50~60歳くらいで胃がんになる事があるという。

実はピロリ菌は簡単に治療できる

1週間薬を飲むだけで7~8割くらいの患者は完全にピロリ菌が良くなるというのだ。

治療費も一週間の薬代だけだと、保険が効くもので1500円から。

検査だけでも5000円くらいのなので、合わせても数千円以内で済む。

若い人はピロリ菌が感染して間もないとそれほど胃が荒れてないので、若い内に除菌治療すると胃がんになる可能性も低くなる。

年齢を重ねてから除菌治療をしても絶対安心とは言えないので、ぜひ高校を卒業したり、20歳くらいの時に1度調べてみて除菌することをオススメする。

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