日常生活で使える心理学

日常生活で使えそうな心理学のテクニックをまとめてみました。恋愛、ビジネス、人間関係において心理学が効果を発揮する場面はたくさんあります。

今回は当サイトがまとめている記事の中で「日常生活で使える心理学」を、簡単な説明と共にご紹介したいと思います。

また、個別の記事で詳しく解説しているものもあるので、もしよろしければご一緒にご覧いただけたらと思います。

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日常で使える心理学一覧

 

 

同調

心理学・行列・同調

心理学には「認知ケチ」という言葉があります。これはお金を出すことを渋るケチとは違い、興味のないこと、情報や知識が足りない物事などについて、極力少ない労力で判断しようとすることです。

人は毎日いろいろな選択肢を与えられ、その都度、決断をしなければなりません。例えば就活におけるリクルートスーツを、周りと同じ無難な黒色を選ぶこと。多くの人が行列を作っているお店を「おいしいに違いない」と思い並ぶことなどがあります。

また長時間の行列に並び、仮に料理がおいしくなくても、「長時間並んだこと」と「おいしくなかった」ことが矛盾してしまうため、無意識のうちに「味がわからなかった」と感情をコントロールしてしまうこともあります。

 

パーソナルスペース

心理学・エレベーター・パーソナルスペース

人は他人に侵入されたくない「パーソナルスペース」という縄張り意識のようなものを持っています。満員電車では強制的に他人と近づくため、無意識のうちに腕を組んだり、広告を眺めたりします。

またパーソナルスペースがよく表れるのが「エレベーター」です。狭い空間の中でいきなり見知らぬ人と一緒になるので、ほとんどの人は移動している階数を表す表示を眺めます。これは自分の持っている領域に他人が侵入してきたことによるストレスを軽減するための防衛本能だと考えられています。

また外交的な人、内向的な人によってもパーソナルスペースの大きさは異なり、外交的な性格は小さく、内向的な性格は大きく距離を取ることが分かっています。

さらに詳しく:【パーソナルスペース

 

傍観者効果

心理学・都会・傍観者効果

東京の人は冷たい、都会の人は親切ではない、と感じたことはありませんか?

実は心理学的には、周りに多くの人がいるほど、困っている人を助けなくなることが分かっています。解明のきっかけとなったのは1964年ニューヨークで起こったキティ・ジェノバーズ事件。女性が暴漢に襲われた際、多くの人が目撃し、叫び声を聞いたにも関わらず、誰も警察に通報しませんでした。不幸にも被害にあった女性は死亡してしまい、マスコミは大きく「都会の人は冷たい」と報道し注目を集めました。

このことから多くの人がいると、個々の責任感が薄れてしまうこと効果を「傍観者効果」と呼ぶようになります。これは周りの人数が増えれば増えるほど、効果が大きくなることが分かっています。

社会心理学者のビブ・ラタネとジョン・ダーリーが行った実験では、ニューヨークの通りでけいれん発作が起きたフリをして通行人の反応を調べたデータがあります。これによると、通行人が1人の場合は助けようとしたのは約85%だったのに対し、通行人が5人以上になると助けようとする人の割合は約30%にまで減少したのです。

 

心理的リアクタンス

買い物・心理的リアクタンス

限定30着、在庫あとわずか、先着10名様に限り、などなど日常生活には心理学的罠とも思えるショッピングの誘惑が多く存在します。人は「これを逃すと買えなくなる」と思い込み、妙にその商品が魅力的に思えてくることがあります。

心理学的に言えば、人は皆自由でいたいと思っており、その自由が失われそうになると抵抗したくなる「心理的リアクタンス」と呼ばれる効果があります。これは態度や行動の自由が脅かされたとき、その自由を取り戻そうとする心理であり、何かを失うと感じると反動的に対象の価値が高まる効果を意味します。

もしも必要のないものをよく買ってしまうのであれば、それは心理的リアクタンスに影響を受けているのかもしれません。店員さんの「それ最後の1点なんです」という言葉に惑わされないよう冷静になりましょう。

 

端数効果

心理学・端数効果

398円、4980円など、400円や5000円のようにキリの良い価格にすればいいものを、あえて端数価格することにより購買意欲を上げる効果を「端数効果」と呼びます。

人は中途半端な数字を見ると、無意識のうちに「何か意図した値段なのか?」や「ギリギリまで安くしているのだろう」と考え、それ以上の値下げを要求しなくなります。また人はキリの良い数字を基準に考える傾向にあります。つまり398円は300円台であり、4980円は4000円台と感じるのです。

フランスの心理学者ニコラス・ゲガンが行ったパンケーキを2フランと1.99フランで販売した実験があります。結果は、2フランのグループは約45%の家庭に売れ、1.99フランのグループでは約60%の家庭に売れました。わずか0.01フランの差にも関わらず、売上に15%もの差が表れたのです。

 

バーナム効果

心理学・占い・バーナム効果

誰にでも当てはまるような内容を、自分にだけ当てはまっていると思い込む効果を「バーナム効果」と呼びます。(別名:フォアラー効果)多くの占い結果には、誰にでも当てはまることが書かれていたり、「協調性はあるけど、実は頑固者」のように、どちらとも取れるようなことを言われたりします。

また一度「当たっている!」と思い込んでしまうと、次のアドバイスを受け入れやすくなるのも特徴です。人は自分のことをもっと知りたいと思う「自己認知欲求」を持っていて、この自己認知欲求は「自己認識」と「自己拡大」に分けられます。

自己認識はすでに自分が知っている情報を改めて確認すること、自己拡大は今まで知らなかった自分の情報を知ることです。そして人が自己拡大の情報を知ることにより、大きな満足感を得ることが分かっています。つまり占いが当たっていても、いなくても、結果的には自分がまだ気づいていない内容であれば満足する傾向にあるのです。

 

ヒグビーの理論

心理学・名前・ヒグビー理論

高校のときに隣の席にいたあの友達、会社の取引先で名刺交換をしたあの人。顔は浮かんでいるのに肝心の名前が浮かんでこないことは多くの人が経験することです。

これを心理学で説明するために、ヒグビーの理論で挙げられている7つの原理をご紹介します。なぜ名前が思い出せないというと、名前自体には何も意味を持たない、かつ何もイメージが湧いてこないものだから。

また名前を自己紹介のときに1度しか聞かないことも理由の一つとして考えられています。またヒグビーの理論における強く記憶に残りやすいものとは以下のものになります。

  • 有意味化(意味があるものは覚えやすい)
  • 組織化(バラバラな知識を系統立てて覚えると覚えやすい)
  • 連想(新しく覚える事と既に覚えている事を組み合わせると覚えやすい)
  • 視覚化(視覚的なイメージは残りやすい)
  • 注意(対象に注意を向けると覚えやすい)
  • 興味(好きなことに対して記憶に残りやすくなる)
  • フィードバック(復習する・評価されることにより記憶に残りやすくなる)

 

同一化

心理学・同一化

子供の頃、好きなヒーローの真似をしたり、好きな芸能人の髪型やファッションを真似する人は多いと思います。心理学的に言えばこれは「同一化」と呼ばれるものです。同一化とは、自分の理想的な対象の行動・服装・表情などを真似ることによって、その相手と一体化した気持ちになることを表します。

裏を返せば「今の自分に不満がある」ことの表れであり、安心感や自信を生み出すために同一化することが考えられます。そして、これは芸能人に限らず、身近な人(親や親しい友達)によっても表れます。

 

セルフ・ハンディキャップ

心理学・セルフハンディキャップ

学生の頃、試験日が近くなるにつれて部屋の掃除をしたり、休憩のつもりで漫画を読んでしまったことはありませんか?心理学的にこれは「セルフ・ハンディキャップ」と呼ばれる行動だと考えられます。

これは失敗する事を想定して、わざわざ自分が不利になることを自ら行う行為です。つまり試験で悪い点数を取ったとしても「掃除ばかりしたから」と考え、受け取るショックを軽減させようとします。自分に自信が無い人ほどセルフ・ハンディキャップを作る傾向にあり、仮に成功したり良い結果が出ると「○○したのに、うまくいった」と成功の価値を高めることができるので、どちらにせよ自分にとって都合の良い解釈となるわけです。

しかしながら、セルフ・ハンディキャップを作る人と、そうでない人のデータを見比べてみると、作る人の方が成功する確率が下がる傾向にあることが分かっています。

 

栄光浴

心理学・自慢・栄光浴

モデル友達の自慢ばかりする人、芸能人になった友達の自慢ばかりする人、あなたの周りにこんな人はいませんか?これは心理学で「栄光浴」と呼ばれるもので、高い評価を受けている人と自分を関連付けることで、自分の評価を高めようとする心理を表します。

心理学者のチャルディーニは、フットボールが盛んな大学を対象に、試合後の学生たちの行動や言動について調査しました。結果は、自分の大学チームが勝利すると、大学の紋章を付けたり、大学名が入った服を着る学生が増え、チームのことを「私たち」という言い方で表現しました。一方で自分の大学チームが負けると、大学の紋章を付けたり、大学名が入った服を着る学生は減少し、チームのことを「彼ら」という言い方で表現する傾向があったのです。

 

身体像境界

心理学・ファッション・身体像境界

心理学では、自分の体についてのイメージを「身体像」と呼び、身体像と外界の境界を「身体像境界」と呼びます。身体象境界が小さい人は自信が無く、他人と接することに不安を覚えます。反対に身体象境界が大きく、はっきりしている人は、自分に自信を持っており、他人に余裕を持って接することができると言われています。

そしてこの身体象境界がよく表れるのが「洋服」です。つまり派手な服や高価なファッションで着飾る人は、身体像境界を大きくしていると考えられ、内心は自信が無かったり、不安である傾向にあります。また「新しい自分」を演出したいとき、リフレッシュしたいときに普段しないようなファッションを取り入れるのも効果的な方法です。

 

錯誤行為

心理学・言い間違い・錯誤行為

上司を「鈴木はどう思う?」などと呼び捨てにしてしまった、夫が帰ってきて「いってらっしゃい」などと、言い間違いをしてしまった経験はありませんか?

精神科医のフロイトは言い間違いにはその人の潜在意識が表れる「錯誤行為」があると定義しています。これには言い間違いだけではなく、聞き間違い、見間違い、読み間違えなどの広い分野での間違いが含まれます。例えば、これから会議を始めるときに「これより閉会します」と言い間違えてしまうのは「早く終わりたい」という気持ちが表れてしまっているのだと考えられます。

聞き間違いでよくあるのは「上着」や「浮き輪」を「浮気」と勘違いしてしまうことなどが挙げられます。夫との会話の中で、上の発音が似ているキーワードを意図的に話すことで、過剰に反応しているようだったら「浮気しているかも」と疑った方がいいかもしれません。

もちろん、全ての言い間違いや聞き間違いに潜在意識が表れるわけではないので、早とちりしないよう気をつけてください。

 

単純接触効果

心理学・恋愛・単純接触効果

心理学には会う回数が増えるだけで好意を持つようになる「単純接触効果」と呼ばれるものがあります。あまり興味のなかった異性であっても、何度も会うことによって「もしかしたら好きかもしれない」と思うのはこの心理効果が働いている可能性があります。

人は初対面の人に対して行動や言動を予測しづらいため警戒心を持ち、無意識のうちに好意を下げる傾向にあります。反対に見慣れた人物であれば、警戒心が薄れるため好意を持ちやすくなると考えられています。

心理学者ザイエンスは被験者に多くの人物の写真をランダムに見せ、写っていた人物の印象を調査しました。(人物によって見せる回数を意図的に変えています)結果は見せる回数が上がるほど、好感度も上がるというものでした。

しかし、見せる回数が10以上になると、好感度の変化は見られませんでした。恋愛においても10回以上会ったり、電話やメールをしても相手の気持ちに変化が無ければ、新しい恋に進んだ方がいいのかもしれません。

 

吊り橋効果

心理学・ドキドキ・吊り橋効果

恋をするドキドキと、心拍数が上がることにより起こるドキドキを、相手への恋愛感情だと勘違いする効果があります。心理学では「吊り橋効果」と呼ばれ、心理学者のダットンとアロンによる実験に由来しています。

これは大きく揺れる吊り橋と平常心で渡れる吊り橋の上で、女性にアンケートを取ってもらうという実験で、大きく揺れる吊り橋の方が男性の好意が大きくなったことが分かりました。

これは吊り橋に限らず、遊園地のジェットコースター、ホラー映画、スポーツ観戦などによっても同じ効果があるとされています。またお酒を飲んで心拍数を上げたり、コメディ番組を見て一緒に笑うことでも、恋愛のドキドキと錯覚することがあります。特定の場所へ行かずとも、相手の左側(心臓が左側にあるので)にいるだけでも効果があると言われています。

 

認知的不協和理論

心理学・認知的不協和理論

大好きな彼氏や彼女に別れ話を切り出されたとき、あなたは「別れたくない!」と引き止めますか?それとも「わかった、いいよ」とあっさり受け入れますか?

実は心理学で言えば後者の方が相手の気をひくと考えられます。

これはレオン・フェスティンガーが提唱した「認知的不協和理論」という心理で、何か行動したときに生じる気持ちの矛盾を解消させるために、考え方や行動を変えることを意味します。

つまり別れ話を切り出している側が「きっと引き止められるに違いない」と思っていて、いざ別れを告げたときにあっさり受け入れられると「あれっ?俺(私)の事そこまで好きじゃなかったのかな」と気持ちが揺れ動きます。もしまだ好きな相手に別れを切り出されたら、一度自分の感情を押さえてあっさり受け入れてみるのも、ひとつの恋愛テクニックだと言えます。

 

ピグマリオン効果

心理学・ホメる・ピグマリオン効果

「ほめられると伸びるタイプ」という人がいますが、心理学では、ほめられたり、期待されることによって良い結果を出せるようになる「ピグマリオン効果」というものがあります。

ピグマリオンの語源はギリシャ神話に登場する王の名前で、美しい女性の彫刻に恋いこがれ、祈り続けた結果、望みが叶ったという伝説に由来しています。

また「ほめ方」にも4つの分類があり、相対評価(他人との比較)、結果評価(出ている結果に対する)、絶対評価(本人の努力に対する)、プロセス評価(努力の過程に対する)があります。

人は生まれ持った才能よりも、努力した量やその過程を評価されることにより自信に繋がり、モチベーションも維持できることが分かっています。つまり、相手をほめるときは絶対評価とプロセス評価を意識すると効果的です。

 

初頭効果

心理学・第一印象・初頭効果

  • イケメンで頭が良くて足が臭い
  • 足が臭いけどイケメンで頭が良い

さて、どちらの男性の印象が良いでしょうか?おそらく最初の男性だと感じた人の方が多いはず。

ビジネスにおいて第一印象が全てを決めると言われているように、心理学においても最初の印象が良ければ、後に失敗したとしても悪い印象を持たれにくくなることが分かっています。

つまり就活などの面接において自分をアピールする場合、一番最初に自分の長所や実績を伝えることが効果的だと考えられるのです。

心理学者アッシュは、知的・勤勉・衝動的・批判的・頑固・嫉妬深い、という「ある人物の性格の特徴の伝える順番」を変えて印象を調査しました。すると知的・勤勉という性格を最初に伝えると好印象に、最後に伝えると悪印象を持つという結果が出ました。

 

ハロー効果

心理学・美人・ハロー効果

ある1つの要素によって印象が全体的に底上げされて良くなる効果を「ハロー効果」と呼びます。(別名「後光効果」や「光背効果」)

例えば、東大出身、美人、役職が高い、背が高い、という特徴に対して、性格も良く、頭も良いに違いないと無意識のうちに高評価してしまうのです。

恋愛における「一目惚れ」にも同じような効果があります。まだ話したことも無いのに、性格も良いに違いない!と勝手に思い込んでしまうのです。ある大学で行われた調査では、美人の学生は、そうでない学生よりも成績が高く評価される傾向にあるというデータも出ています。

さらに詳しく:ハロー効果とは?実力以上の印象を与える心理テクニック

 

ドア・イン・ザ・フェイス

心理学・ドアインザフェイス

ビジネスにおいて取引先に多少の無理をお願いすることもあるかと思います。そんなときは「ドア・イン・ザ・フェイス」が効果を発揮します。

これは最初に現実的ではない大きな要求を提示して、断られたら要求のハードルを下げて提示するという手法です。

例えば、1週間後に必要な資料のまとめを部下にお願いしたいとき、最初に「明後日までお願い」とスケジュール的に無理な日程で頼みます。すると「ちょっと今、他の仕事で手が離せなくて」と断られた際に「じゃあ1週間なら大丈夫?」と提示します。

部下は「日程を伸ばしてくれた」と感じ、最初から1週間でお願いするよりも、引き受けやすくなるのです。これは「相手が譲歩してくれたのだから、自分も譲歩しなくては」と思う心理を利用しています。

さらに詳しく:【ドア・イン・ザ・フェイス】交渉テクニック

 

フット・イン・ザ・ドア

心理学・フットインザドア

上の「ドア・イン・ザ・フェイス」とは対照的な交渉方法が「フット・イン・ザ・ドア」です。「足さえ入ることができればこちらのもの」というセールスの言葉に由来しています。

これは小さな要求から始まり、要求を徐々に大きくしていって最終的に本当の要求を承諾しやすくする手法です。

例えば、彼氏に高価なバッグを買わせたいとします。まずは小さな要求から「暑いからアイス食べない?」→「たまにはランチご馳走してよ♪」→「そういえば、このバッグ欲しかったんだ(チラッチラッ)」かなり極端な例えですが、いきなり「バッグ買って!」と要求するよりも「最初の要求を受け入れた」ことによって、後の要求が断りづらくなる効果が期待できるのです。

またフット・イン・ザ・ドアはファッション業界でもよく使われます。「試着してみませんか?」や「他のサイズお持ちしましょうか?」という小さな要求を承諾させることによって、最終的に「購入」という真の承諾を受け入れやすくします。

さらに詳しく:【フット・イン・ザ・ドア】説得するテクニック

 

カチッサー効果

心理学・カチッサー効果

相手の承諾を得る際によく使われるのが「カチッサー効果」です。方法はいたって簡単で、要求に対して理由を添えるだけ。また理由に関しては特に意味のないことでも効果はあります。

心理学者のランガーは、コピー機を優先的に使わせてもらう要求に対して3つの頼み方を検証しました。1つは「先にコピーをとらせてください」という要求のみのパターン。2つ目は「急いでいるので、先にコピーをとらせてください」という本当の理由を添えたパターン。3つ目は「コピーをとらなければならないので、先にコピーをとらせてください」という意味があるようで無い理由を添えたパターンです。結果は最初の「要求のみ」に対して60%の人が応じたのに対し、後の2つは共に90%の人が応じたというものでした。

これはビジネスだけではなく、デートの誘いにも応用できます。つまりいきなり「デートに行きませんか?」と伝えるよりも、「おいしいレストランを見つけたので」のように何か理由をつけるだけで、デートに誘う成功率が上がることが期待できます。

 

クライマックス法とアンチ・クライマックス法

心理学・クライマックス法

プレゼンや相手を説得することが苦手な人は「クライマックス法」と「アンチ・クライマックス法」をためしてみてはいかがでしょうか。文字通りクライマックス法とは、結論を最後に話す方法です。

まず、データや結論に至るまでのプロセスを説明し、クライマックスに結論を話します。注意すべき点は、プレゼンをしている相手が興味を示している場合に有効だということ。そうでないと「ただ説明が長い」と受け取られてしまう可能性があります。

もしも、相手が興味を示しているか分からないと感じたら「アンチ・クライマックス法」が有効です。これは反対に結論を最初に伝える方法。ビジネスにおいてもよく使われる手法で、話しが途中で終わってしまったとしても、結論だけは確実に伝えることができます。また結論を最初に話すことで、その後に説明するプロセスについても興味を持ってもらいやすくなります。

また一般的に、クライマックス法で話す人は、相手からも同じように話すことを好む傾向にあり、アンチ・クライマックス法においても同じことが言えます。事前に相手がどんなプレゼンをしているのか知ることができれば、自分がプレゼンするときに多いに役立つでしょう。

 

目標の欲求勾配仮説

心理学・目標の欲求勾配仮説

目標の欲求勾配仮説とは、目標が近くなるほど、その目標の価値が高まり、達成したいという欲求が強くなるという仮説です。

例えばフルマラソンを完走する!という大きな目標を掲げたとします。いきなり42.195km走ろうと練習してもモチベーションは維持できません。そこで段階を分けて目標を小さく分割してみます。まずは1日5km走ることを目標にする。達成できたら10km、20kmと距離を伸ばしていく。

このように困難を分割することで、小さな達成を積み重ねていくことができます。最終的には、フルマラソンのタイムを更新する!という新たな目標も見つかるかもしれません。

また恋愛においても応用することができます。いきなりデートに誘うのではなく、まずは共通点を見つけ話題を作る、連絡先を交換する、1対1ではなく共通の友達と出かける、といったように段階を踏むと最終的にデートに誘うこともできるでしょう。

「小さなことからコツコツと」By西川きよし

 

ツァイガルニック効果

心理学・ツァイガルニック効果

ツァイガルニック効果とは、あえて次の日にやろうとしている仕事に手をつける手法です。人は「未知・未完成のことに対して強い興味を抱く」という心理を持っています。これをやる気アップのために応用したものです。

一通りの仕事を終えた後に、次の日の仕事に少しだけ手をつけます。すると途中で作業を止めたことが気になり「終わらせたい!」という欲求が出てくるのです。勉強においても、あえて次の日にやろうとしている課題に手をつけることで、モチベーションアップに繋がることが期待できます。

 

ヤーキーズ・ドッドソンの法則

心理学・ヤーキーズドッドソンの法則

緊張しすぎて頭が真っ白になってしまったり、声が震えたりすることは誰にでもあることです。しかしながら、全く緊張しないというのも実は考えもの。

心理学では適度な緊張がより良いパフォーマンスを生み、緊張が弱すぎたり強すぎるとパフォーマンスが低下する「ヤーキーズ・ドッドソンの法則」と呼ばれるものがあります。

これは慣れていることをするときは緊張している方がうまくいき、慣れていないときは緊張していない方がうまくいくという考え方です。つまりプレゼンで緊張しすぎてしまう人は、とにかく反復練習をして「慣れさせる」ことがポイントになってきます。

その他にも、声のトーンを普段話しているように意識してみたり、まばたきの回数を多くしないよう気をつけることも効果的です。

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