職場ストレスを解消する考え方

「職場のストレスが限界だ!」と感じたとき、みなさんはどのようにして解消していますか?お酒を飲む、同僚とグチを交わす、カラオケに行く。多くの人がこのような解消法を実践しているかと思いますが、根本的な問題は何も解決していない場合がほとんどです。「ストレスを感じている原因」から目を背けては、同じ悪循環にハマる、あるいはもっとひどい状況になるかもしれません。

そこで今回は「職場ストレスを解消させる考え方」についてご紹介していきたいと思います。職場の人間関係に限らず、学校の友人関係、子供との接し方などに悩んでいる方々に少しでも参考にしていただけたら幸いです。

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職場ストレスを解消させる方法のまとめ

 

 

2種類のストレス

2種類のストレス

職場のストレスを解消する上で、どんな種類のストレスがあるのか知っておくことは非常に重要なことです。ここでは2種類のストレスについて解説すると共に、どういった例があるのかご紹介していきたいと思います。

一つ目は「急性ストレス」です。これは急激な変化により生じるもの。例えば会社が合併して、職務内容が大きく変わり、最悪の場合、自分の仕事がなくなってしまうかもしれない状況などがあります。この変化は大きな混乱を招くことになりますが、期限は限られたものであり、原因も明確です。

二つ目は「慢性ストレス」です。これは自分が望む状況と現在おかれている状況にズレを感じ、それが継続して発生するストレスです。例えば、ある程度の報酬は得ているものの仕事内容には満足していない、自分の能力に見合っていない作業の連続で行き詰まりを感じている、などがあります。慢性ストレスは少しずつ蓄積されていき、ストレスを伴う変化が起きた際に急激に悪化します。

全体的なストレスレベルはこの2種類のストレスを総合的に考える必要があります。慢性ストレスが少なければ、急性ストレスに上手く対応することができ、逆もまたしかりです。

自分が望む状況と現在の状況のズレが小さければ、急激な変化にも上手く対応することができます。反対に、慢性ストレスが蓄積され続けているのであれば、ちょっとした急性ストレスによって事態は最悪な状況を作り出してしまうかもしれません。

 

職場の悪い面ばかり気になる

職場の悪い面ばかり気になる

ストレスに上手く対応できない人ほど、職場の悪い面ばかり気にしてしまいます。仕事内容が絶えず変化するため、それに合わせて新しい技術を学ばなくてはならない。経営者は社員に対して関心がないのだから、会社のために働くなんて当然無理な話しだ。経営が悪化すれば能力があってもなくても切り捨てられるのは目に見えている。

このような悩みの種が尽きない職場では、現実逃避したり、初めから無かったものとして考えてしまえば楽になるかもしれません。しかしながら、それらを見過ごせば見過ごすほど、同じようなプレッシャーに悩み続けることになるでしょう。

人が変化を脅威として受け止めてしまうのは、それがどのような影響をもたらすのか予測しづらいからです。今の安定した収入や地位がなくなるかもしれない、失敗したときに責任を取らされるかもしれない。

大切なことは変化を受け入れ、より良い生き方や働き方を見出そうとすることです。ストレスを感じていることを認識していながら、それを見過ごしていては何も解決しません。変化のない人生を羨ましく感じることもありますが、よく考えるとそれはきっと退屈で空しいものだと思います。変化することは自分に刺激を与えるチャンスであり、それに上手く対応しようとする意志が無ければ乗り越えることはできません。

 

職場ストレスに対応する3つの姿勢

職場ストレスに対応する3つの姿勢

職場ストレスに対応するには3つの姿勢が重要だと言われています。これらは3C姿勢と呼ばれており、コミットメント(関わりあい)、コントロール(制御)、チャレンジ(挑戦)の頭文字を取ったものです。

コミットメント(関わりあい)の姿勢は、仕事に限らず人生においても「やる気」を出すことに繋がります。まわりの人々や出来事と関わり続けることで、人生の意味や充足感を得ることができるのです。コミットメントが強い人は、何か大きな問題に直面したとしても、今の仕事や同僚と関わりを持ち続けたいと思い、他の人がどのように感じているのか知るために積極的に意見交換を行います。反対にコミットメントが弱い人は、同僚や会社を批判し、関わりを持つことに消極的になるでしょう。

コントロール(制御)の姿勢は、変化によって生じる問題に対して、具体的な行動を取る手助けとなります。この姿勢があることで「このストレス状況は、自分の努力次第で乗り越えられる」という強い意志を持つことができます。ただし、制御できる事とできない事があることを覚えておかなければなりません。何が可能で、何が不可能なのか冷静に判断する必要があります。いずれにせよ、コントロールの姿勢が高ければ、今おかれている変化の状況を把握することができ、自分がすべき事を考えられるはずです。

チャレンジ(挑戦)の姿勢は、変化を日常的なものとして受け入れることに役立ち、変化に対する好き嫌いという先入観を持たせないようにしてくれます。どんな困難に対しても、決してそれを悲観的に捉えず、意味のあるチャレンジとして考えることが重要です。チャレンジ姿勢が高い人は、危機的状況を成長できるきっかけとして考えます。逆にチャレンジ姿勢が低い人は、間違った方法で状況を回避しようとし、結果的に最悪な事態を招くかもしれません。

 

職場ストレスに上手く対処できる人を参考にする

職場ストレスに上手く対処できる人を参考にする

どんなに職場でストレスを感じていても、上手く対処できている人はいるものです。それは同じ職場の同僚や上司、あるいは学生時代の親しい友人や先生かもしれません。まずは、自分の周りに上に挙げた3C姿勢が高い人がいないか探してみてください。どんな危機的状況に対しても決して目を背けず、改善策を見出そうと周囲と関わりあい、常に努力している人です。

まずは彼(彼女)が、どのようなストレス状況であったのか確認します。次に、それを解消するためにどのような行動を取ったのか?周りに助けを求める、あるいは自らサポートしようと心掛けたのか?直接聞いてみてください。その経験を語っているとき、どんなやりがいを見出していたのか?どんな新しい発見があったのか?

ストレス状況を上手く対処できている人を参考にすることで、ストレスを感じている自分が取った行動や考え方と比較することができるでしょう。成功体験を共有することで、多様なストレス状況に対処できるはずです。

 

職場ストレスがもたらす不利益を逆算してみる

職場ストレスがもたらす不利益を逆算してみる

人は大きなストレスを感じたとき、非効率的な行動を取ることがあります。それは関わり合いを避けるための逃避行動、チャレンジ精神を損なう無気力感、ストレスを解消するための間違った方法などです。職場ストレスに上手く対応するためにも、これらの事が長期的にどのような不利益をもたらすのか逆算して知っておくことも重要です。

例えば、職場ストレスを上手く解消できない人は過度にアルコールに頼ってしまい、間違ったストレス解消法を続けた結果、仕事に支障をきたすほどの体調不良を招くでしょう。まわりの同期が出世する中、自分だけ取り残されていると感じていれば、自分をアピールしようと努力するよりも、いかに手を抜いて仕事をするか考えてしまうかもしれません。

大切なことは、ストレスによって引き起こされた行動が、どのような不利益をもたらすのか想像できるかどうかです。問題を解決するために取るべき行動に反していると気づくことで、今やるべきこと、本当に必要をしていることが見えてくるはずです。

 

職場ストレスを解消する客観的視点

職場ストレスを解消する客観的視点

イメージすることはストレスを解消する上で大いに役立ちます。客観的視点から、自分が努力している姿を想像し、観察してみてください。こうすることで自分が取った行動がどのように周りに影響しているのか確認でき、もしかしたら失敗例として気づかされる部分もあるかもしれません。

また自分だけではなく、自身に向けられた周りの言動や態度を客観的に見ることも重要です。職場ストレスを上手く解消できるようになると、周りの人が変化に気づき、場合によっては「最近○○さん変わりましたよね」などといった直接的な言葉として伝えられることもあります。

さらに自分が取った行動や考え方によって得られた結果を客観的に分析してみてください。周囲との関わり合いを強めたことで得られた結果、影響を与えようと努力した結果、諦めずに努力し続けた結果、どのような変化が起きたのか知ることです。小さな成功体験を積み重ねることで、自然とやる気や自信となって表れるはずです。

 

職場ストレスを解消させる3つの視野

職場ストレスを解消させる3つの視野

広い視野を持って問題を捉えることが自分なりの見方でできればいいのですが、中には「どう捉えればいいの?」と悩んでしまうこともあるかと思います。ここでは「職場ストレスを解消させる際に役立つ3つの視野」を例題としてご紹介していきたいと思います。もちろん、自分なりの視野や考え方で物事を考えられるのであれば何も問題はありません。

・「自分だけではない」と認識する視野

ストレスを感じると「なぜ、私だけが?」というように、自分一人だけが辛い目にあっていると思ってしまうことがあります。抱えているストレスを自分だけの問題だと感じてしまうのは、非常に危険な考え方です。反対に「自分と同じ経験をしている人」がいることが分かれば、自分だけの問題ではなく、誰にでも起こりえる事なのだという広い視野を持つことができ、冷静な判断をすることができるでしょう。

・最悪な状況と比較できる視野

職場ストレスを感じていると、あたかも現在の状態が人生の中で最悪な状況だと感じることがあります。ですが、落ち着いて考えれば今よりも「ひどい状況」予想するのはすごく容易なはずです。大切なことは「現在の状況は良いものとは言えないが、最悪な状況ではない」と捉えることです。自分には解決させる意志と能力があると自覚することで、思ってもみなかった打開策がひらめくかもしれません。

・時間が解決してくれる視野

解決策を見出して行動にうつすことは素晴らしいことですが、同時にどっしりと構える余裕を持つのも大切なことです。つまり「耐える」ことが必要な場面を想定して、時間が経てば自然に解決すると考えるのです。時に焦りは原動力にもなりますが、冷静に判断することを難しくさせる場合もあります。期限が近づけば状況は改善に向かうと思うことは、より一層努力することを手助けしてくれるはずです。

 

職場ストレスの問題を解決する3ステップ

職場ストレスの問題を解決する3ステップ

小さな変化に対して、今まで通りのやり方で対応することはできますが、激しい変化には柔軟な発想や協力的な行動が必要不可欠になります。また解決することを急ぐあまり、後退的な対応策を取ってしまうと、表面的な問題しか見ることができず、悪い結果を招くことがあります。ここでは問題を解決するための3ステップについて触れていきたいと思います。

ステップ1:問題を遠くから捉える

現在直面している職場ストレスの多くは、個人的なものだと感じるかもしれませんが、その根本にあるのは組織的なレベルの問題である可能性もあります。つまり、問題を解決するに当たり、視野を広く取り、遠くから捉える必要があるのです。上司が頭ごなしにプレッシャーを与えてくるのであれば、会社自体の業績が悪化しているため周りが冷静な判断ができない状態であることが考えられます。問題を遠くから捉えることで、何がストレスの原因なのか、具体的な解決策は何なのか、冷静に問題を分析することができるはずです。

ステップ2:理解を深め解決策を見出す

問題を遠くから捉え、根本的なストレス原因を把握できたら、その解決策を見出します。そして、その問題は他の人たちと何らかの関係性を持って存在しているはずです。上司との関係がうまくいっていない場合「考え方が根本的に違う」と割り切ってしまっては、問題の解決には至らず、むしろ悪化の道を辿ることになります。何が上司との関係を悪化させているのか?何かお互いに誤解している部分があるのではないか?円滑なコミュニケーションを取るにはどうすれば良いのか?職場ストレスを解消する具体的な方法が自然と見えてくるはずです。

ステップ3:行動する

いくら良い解決策が思い浮かんでも、それを実行できなければ何もしていない状況と変わりありません。ストレスを感じている原因、それを解消するためにやるべき事が分かれば、あとは行動にうつすだけです。上で挙げた上司との関係がうまくいっていない場合であれば、自分は上司と良い関係を築きたいことを意志表示する、理解が求められないのであればその理由について説明してもらう、といった具合です。やってはいけないことは問題を置き去りにすること。「いつかは解決するだろう」と放置すればするほど、ストレス状況は悪化するだけです。

 

未解決の職場ストレスの問題を書き出す

未解決の職場ストレスの問題を書き出す

職場ストレスを解消する上で、非常に効果的なことは「ストレスを感じている状態を認識する」ことです。急性ストレスであれば理由や原因は明確であることが大半ですが、慢性ストレスの場合、意外と自覚していないケースが考えられます。そこで役に立つのが、今の状況において「自分がストレスを感じている」と思う未解決の問題リストを書き出す方法です。

まずは現在抱えているストレス要因を考えられるだけ書きだします。次に、リストとして書き出したいくつかの問題に対して、仕事に直接的、あるいは間接的に影響を及ぼしているのか判断してください。例えば、新しい上司になって仕事のやり方に戸惑いを感じている、同僚と上手くコミュニケーションが取れない、といった場合は直接的だと言えます。間接的な影響であれば、妻の浮気疑惑、子供の素行問題など、仕事には関係していないが間接的に頭を悩ませている問題です。

次のステップは、リスト化したストレス要因に対して影響力の度合を数値化してください。例えば、多少のストレスは感じているが仕事に支障をきたす程でなければ2、毎日悩まされており、この状況が続くと健康にも悪影響を及ぼすと感じるのであれば9といった具合です。

最後に書き出したストレス要因が「急性ストレス」なのか「慢性ストレス」なのか判断してください。急激な変化により引き起こされたストレスであれば急性、自分の考えとのズレによって少しずつ積み重なっているものであれば慢性です。これで自身のストレス要因リストが完成したと思います。

あとは最初の方で述べた「職場ストレスに対応する3つの姿勢」や「客観的視点」などを利用して、現在のストレス状況を把握し、具体的な解決策を見出し、行動することです。職場ストレスの原因がより明確になったことで、対処しやすくなるはずです。また、解消させる問題の優先順位はストレス状況が高いものからでも、低いものからでも、どちらでも構いません。プロセスには違いはありますが、最終的には全ての職場ストレスを解消させることが目標ですからゴールは同じです。

 

職場ストレス解消の鍵は「仕事にやりがいを見出すこと」

職場ストレス解消の鍵は「仕事にやりがいを見出すこと」

毎日の仕事が単調で、やりがいを感じることができなければ、慢性ストレスを抱え込むのは当然のことです。確かに安定した収入は生活していくために必要なものですが、充実感を得ることができなければ自分の能力をフルに発揮することは難しいでしょう。少しでも今の仕事が好きで続けているのであれば、自分の技術や才能を活かすきっかけが隠れているはずです。そこで最後に、職場ストレスを解消させる鍵として「仕事にやりがいを見出す3つの方法」をご紹介して終わりにしたいと思います。

1.職場関係の繋がりを強める

人は周りに自分を認めてもらうことで欲求を満たそうとします。孤軍奮闘のような形で一人だけ戦っていると感じていては、仕事にやりがいを見出すのも難しくなります。強い繋がりを感じ取れる職場であれば、自然とストレスにも強くなるはずです。仕事にどれだけ意味のある価値を感じ取れるのかは、人間関係の繋がりの質によって決まると言っても過言ではないと思います。

2.広い視野を持つ

最初の方で述べたように、広い視野を持つことは職場ストレスの解消に役立ちます。これは、仕事のやりがいを見出す際にも非常に有効です。狭い視野で見れば、つまらない内容だと感じてしまうかもしれませんが、広い視野で見ることができれば、今の職場にどれだけ貢献しているのか感じ取れるはずです。もしかしたら、革新的なアイデアだって生まれるかもしれません。木ばかりを見て森を忘れないように気をつけてください。

3.個人的な目標を考える

今の仕事と個人的な目標の共通点を発見することで、新しい視点から仕事に取り組むことができるようになります。将来を見据えた大きなビジョンが明らかであれば、自分が成長できる点、それを達成するためにやるべき事が見えてくるはずです。場合によっては、新しい職場を探す必要もあるかもしれません。意味のある仕事をするためにも、個人的な目標を意識してみてください。

以上が「職場ストレスの限界!人間関係を良好にする考え方とは」になります。ストレスを感じている自分を認識し、上手く対処できる手助けとなれば幸いです。最後までご覧いただきありがとうございました。

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