睡眠不足を解消する方法

人は人生の3分の1を睡眠に使っていると言われています。

そして現代のストレス社会の中で、不眠に陥っている人は増え続けているのが現状です。

あなたは高価な快眠グッズを購入しようと考えていませんか?

市販の睡眠薬に頼ってしまって、不眠が悪化していませんか?

通勤電車の中で眠る習慣がついてしまい、夜の寝つきが悪くなっていませんか?

最近では「朝の光りは目覚めに良い」、「昼間に仮眠が良い」、「90分周期の睡眠が良い」といった様々な情報があります。

もちろんこれらは間違った睡眠不足の解消法ではありませんが、知っておいてほしいことがあります。

それは「ひとつの快眠方法に全ての人が当てはまるものは無い」ということです。

ひとつの睡眠不足解消法を同じようにやっても、改善された人と同じような効果が出るとは限らないのです。

人間は生活習慣、身長、体重、体型など、ひとりひとりが違うように、睡眠の取り方においても同じことが言えます。

今回はそんな「自分に合った睡眠不足解消方法」を見つけられる内容をまとめてみました。

高価な快眠グッズを買う前に、市販の睡眠薬を使う前に、自然な方法で睡眠不足解消をためすことをオススメします。

この記事を通して、あなたの睡眠が「快眠」になることができれば幸いです。

それでは「睡眠不足を解消する自然な方法」いってみましょう!

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睡眠不足の意外な原因

「がんばって眠ろうとするけど、なかなか寝つけない」

睡眠不足の人の中には、夜中になっても眠れなくて時計の針を気にする人は多いはずです。

実はこの「時計を見る行為」は快眠の天敵とも言えます。

「がんばって眠ろうとしている」状態は「がんばってしまっている」ので、何かに集中したり緊張している状態と同じで、良い睡眠を取れる状態とは言えません。

そこでオススメしたいのが

「眠る場所から時計を見えないようにすること」

早く眠ろうとして夜中に目が覚めてしまい、時計を見てしまうと、さらに睡眠時間が限られてくることに焦りを感じてしまいます。

眠るときはリラックスしている事が非常に大切です。

仮に目が覚めてしまったのが夜中だったとしても、時計を見る行為は、単純に睡眠を妨げるだけなのです。

つまり眠れない夜に時計を見る必要は全くありません。

「朝起きるために時計を見ないと」と思う人もいるかもしれませんが、まずはアラームをセットして、時刻が見えないように時計を裏向きにしてみてはどうでしょうか?

あるいはベッドから少し離れたところに目覚まし時計や携帯電話を置くこともオススメです。

最初のうちは時計がないことに違和感があると思いますが、1週間もすれば慣れてくるはずです。

まずは睡眠不足の原因「時計を見る行為」をやめてみましょう。

 

眠りやすさと温度

よく運動をすると眠りやすくなると言われていますが、運動をすることによって睡眠時間が長くなったり、寝つきが良くなるといった証明はまだされていないようです。

しかしながら、寝る前のストレッチや軽い運動は、筋肉をほぐし、血流が良くなるので疲れを取る効果があり、精神的にリフレッシュできます。

また運動をすることによって起こる体温の変化が、睡眠に影響しているとも考えられています。

人は運動することによって体温が上がり、表面の温度が上がるので、体内の温度下げることによって温度を一定に保とうする働きを持っています。

この体温が下がるときこそ人は眠りやすくなります。

よくテレビドラマなどで「寝るな!寝たら死ぬぞ!」と遭難した雪山で叫ぶシーンがありますが、あれは体温が下がることで起きる生理的現象だったのです。

つまり、この体温が下がることで眠くなる現象を、睡眠に利用できることが考えられます。

例えば眠る前の運動は、ベッドに入る2時間前が効果的です。

眠る直前に運動をしてしまうと、体温は上がったままになってしまいます。

運動後の上がった体温を、下げようとするときに眠気が来るので、直前ではなく、2時間前くらいがベストです。

温度を下げればいいのだから、冷たいものを飲んだり、水風呂に入ったりすればいいじゃないか、と思う人もいるでしょう。

しかし、冷たい飲み物は夜中にトイレに行きたくなる可能性があり、水風呂は表面の温度を下げるだけなので効果はあまりありません。

また室温を少し寒いと感じるくらいに調節するのも効果的です。

ただしエアコンで温度調節することを得意としない人も多いでしょうし、室温を下げ過ぎてしまうと風邪を引く可能性もあります。

そこで掛布団や、寝る時の服装などで温度調節することをオススメします。

目安は布団の中に入ったときに「少し寒い」と感じるくらいです。

また「暖かくしないと眠れない!」と思う人は、寝る直前までは湯たんぽやエアコンなど使って温度調整してみてください。

気をつけてほしいのは最初の間だけ温めるということです。

ずっと温めてしまうと、やはり寝つきが悪くなる原因となります。

エアコンを使う場合は、タイマーなどをセットして自動的に電源が切れるようにした方が良いでしょう。

欧米の研究者の中には、18℃くらいを適温とする人もいるようなので、室温の目安にしてみても良いかと思われます。

 

光と音を遮断する

明かりをつけたまま眠ったり、リラックスできる音楽を聴きながら眠る人もいると思います。

もちろん、それによって快眠を得られているのであれば何も問題ありません。

しかしある調査でこんなデータがあります。

空港に住んでいる人を対象とした、睡眠時の脳の活動を調べました。

被験者たちは「眠っている間は飛行機の音に気づかなかった」と証言していたのですが、脳波を調べると、飛行機が通るたびに脳の活動が記録されていたのです。

つまり問題なく眠れていると感じていても、音によって脳は十分に休むことができない可能性が考えられます。

まずは、睡眠時に音を遮断することを考えましょう。

眠りを促す音楽として売り出されているCDがありますが、生理的に考えると飛行機の騒音と同じように、脳を活動させてしまうことに繋がります。

もちろんCDを聞くことによってよく眠れているのなら良いのですが、CDを購入する前に、まずは音を遮断する快眠方法をためしてみてはいかがでしょうか?

音を遮断するという点では耳栓も効果的です。

最初のうちは違和感があると思いますが、1週間もすれば慣れてくると思います。

耳栓をつける場合は、朝起きるために、音が大きい目覚まし時計を用意することをお忘れなく。

次に光を遮断して寝つきを良くする方法です。

できるだけ光を通さない「遮光カーテン」に変えたり、アイマスクをして眠るなどが効果的です。

また不眠気味の人は、朝日が昇ってからも部屋を暗い状態にしておくことをオススメします。

光という点で、最も注意してもらいたいのが寝る前のスマホやテレビです。

眠れずに布団の中で携帯ゲームをしたり、何気なくテレビをつけてしまう人がいると思いますが、昼間が明るいように、明るい光は覚醒効果を持っています。

眠る2時間前までは、テレビやスマホを見ることを控えるべきでしょう。

 

小腹を満たす

人は空腹になると眠れなくなる傾向にあります。

これは空腹によって交感神経が働き、グリコーゲンや脂肪の分解が起こり、そこから体が興奮状態になってしまうことが原因だと言われています。

この空腹を防ぐ効果的な快眠方法が

寝る1時間くらい前に軽い食事をとること。

特にオススメなのが炭水化物で、少ないご飯やスープ、菓子パンやビスケットなどがあります。

ただし、胃がもたれるような油っこい食べ物や、カフェインを多く含んだものは控えた方が良いでしょう。

最初の方で説明したように、熱い食べ物も内部体温を上げてしまうのでオススメしません。

ダイエットをしている人でも、空腹によって眠れなくなることを避けるべきです。

満腹になるまで食べる必要はなく、小腹を満たす程度で良いので、睡眠をしっかり取った後で、基礎代謝の良い朝や昼間に運動する方が健康的と言えます。

じゃあ寝る前に満腹になれば良いと考える人もいるかもしれませんが、夜間は基礎代謝が少ないので、たくさん食べることは肥満に繋がってしまいます。

快眠を得るために、他の健康を損なっては何も意味がありません。

また肥満症の人は、睡眠時無呼吸症候群になりやすい傾向にあります。

これは首回りの脂肪が多いことにより、上気道という空気の通り道が狭くなることが原因だと言われています。

ちなみに肥満症でなくても、舌が大きいことにより気道を塞いでしまう人、あごが小さい人なども睡眠時無呼吸症候群になりやすい傾向にあります。

ダイエットにより肥満を解消できれば、睡眠時無呼吸症候群の改善が見込めますが、実はそれはとても困難な道です。

なぜなら(睡眠によって休息を得られない)→(昼間の活動力が落ちる)→(さらに体重が増える)という悪循環になっている可能性があるからです。

 

カフェインを利用する

みなさんもご存じのように、カフェインを摂取すると眠くなくなる作用(神経を興奮させる作用)があります。

カフェインを含む食品には、コーヒー、紅茶、緑茶、ココア、コーラ、チョコレートの他に、鎮痛剤やダイエット食品、栄養ドリンクなどにも含まれていることがあります。

睡眠不足を感じている人は、カフェインを取ることを控えることが多いと思いますが、逆にカフェインの作用を利用してみてはいかがでしょうか?

摂取する量や回数にも関わってきますが、

カフェインの実感を伴う効果が持続するのは4~6時間

と言われています。(体の中に残っているのは8~14時間)

つまり朝にコーヒーなどでカフェインを摂取すれば、睡眠不足からくる眠気に効果があると考えられ、カフェインの作用が切れる夜の時間帯を考慮して昼間に摂取すれば、眠りやすくなることが期待できるのです。

そこで気になるのが、どれくらいの量をいつ摂取するかです。

これはその人のカフェインへの反応性や代謝能力、適したカフェインの種類などが関係してきます。

つまり一概に「これを食べれば○時間後に眠くなる」とは言えないのです。

まずは何をいつ食べたり飲んだりしたのか時間帯の目安をチェックして、自分に合ったカフェインの量と摂取時間を見つけましょう。

最後にカフェインの含有量の目安を記載しておきます。同じ商品であってもメーカーによって量は変わってきますのであくまで目安と考えてください。

  • コーヒー(180ml中70~100mg)
  • 紅茶(180ml中30~40mg)
  • チョコレートバー(50g中30mg)
  • ココア(180ml中7mg)
  • コーラなどのカフェインを含んだ飲料(350ml中40mg)
  • 鎮痛剤(2錠中60~130mg)
  • エナジードリンク(1本中30~60mg)

また摂取する時間帯は午前中から午後の早い時間がおすすめです、夕方以降や寝る直前にカフェインを摂取するのは控えた方が良いでしょう。

 

寝酒・喫煙・睡眠薬

不眠だからといって寝酒をする人もいると思いますが、

アルコールには離脱症状があります。

離脱症状とはアルコールを摂取した後に陽気な気分になれた反動で、急速に逆の憂鬱な気分になる作用のことをさします。

つまり寝つきが良くなるようにお酒を飲む、最初のうちは気分がよくなる、次第にアルコールが抜けてくるとイライラしたり不安になる、と考えられるのです。

またアルコールを摂取すると脱水状態になるので、夜中に喉が渇いて目が覚めたり、利尿作用によってトイレのため起きてしまうこともあります。

もちろんお酒を少し飲むことによって、快眠を得られているのなら問題はありませんが、やはりお酒の力で眠くなろうとすることは上のようなリスクを伴います。

喫煙も同じように離脱症状をきたすことがあります。

タバコに含まれるニコチンには神経を刺激する作用があり、タバコを吸ってリラックスできたとしても、ニコチンが切れると憂うつやイライラを感じ、寝つきが悪くなります。

また、睡眠薬に頼ってしまっている人の中には反調跳性不眠になっている可能性があります。

反調跳性不眠とは、睡眠薬を飲むのを止めた後に、不眠の症状が悪化することをさします。

反調跳性不眠にも離脱症状が関係しており、薬を摂取することを止めることで、反対の症状が起こることがあります。

また人には耐性があり、睡眠薬に慣れてきてしまうと、次第に薬の量が増えたり、薬なしでは眠れることができなくなってしまうことも。

実はほとんどの睡眠薬は初期治療、つまり飲み始めの数週間にだけ絞って研究がされてきたと言われています。

長期間摂取し続けることによる副作用や、睡眠に与える影響、依存せずにやめることはできるのか、などなど気になることはたくさんありますが、現時点では明確な研究結果は発表されていません。

どうしても睡眠薬を使いたい場合は、薬局の薬剤師さんや、病院のお医者さんとよく相談してから使いたいものです。

 

ベッドは眠る場所

「何を当たり前のことを言っているの?」

と思ったかもしれませんが、

あなたはベッドの上で眠る以外の行動をしていませんか?

不眠が起こるメカニズムには不眠度というものがあり、この不眠度が一定の値を超えてしまうと不眠になると言われています。

またこの不眠度には3つの因子が関係しており、準備因子、誘発因子、維持因子があります。

準備因子とは、もともとその人が持っている体質や性格、生活環境から来る不眠度です。

そこに心理的ストレスや病気などの痛みなどにより誘発因子が加わり、不眠になり始めるとされています。

そして維持因子には、不眠になった後に間違った方法で不眠を解消させようとすることなどがあります。

例えば夜眠れなくて休息が十分に取れず、朝の通勤電車の中で寝る習慣がついてしまった。

ベッドに入ってから携帯電話やスマートフォンなでゲームをしたり、動画を見る習慣がついてしまった。

寝る前にお酒を飲む習慣がついてしまい、寝ようとする度にトイレが近くなった。

もちろんこれらの行為をしたとしても、十分に睡眠が取れているのなら問題はありませんが、不眠になってしまっている場合は注意が必要です。

これらの習慣が身についてしまっているのは「不眠の条件付け」がなされている可能性があります。

「ベッドの上はテレビを見る場所」

「通勤電車の中は寝る場所」

「夜になると眠れなくなる」

このような悪循環が不眠をより悪化させてしまい、ベッドが寝るための場所では無くなってしまっているのです。

そこでオススメしたいのは刺激コントロール法です。

方法はいたってシンプルで、以下の2つを守るだけです。

  • 寝床では眠ること以外何もしない。
  • 寝床以外では眠らない。

そしてこのポイントを踏まえた上で、具体的に行う方法として以下のような手順があります。

  1. できるだけ決まった時間に寝床に入る。
  2. 寝床に入ったら室内を暗くして、テレビやスマホの電源を切る。
  3. 15分くらいしても眠れないのであれば、寝床や寝室から出る。
  4. 横にはならずにリラックスできることを別の部屋でする。
  5. 眠気を感じたら寝床に戻る。

2番目のスマホやテレビを消すのは光による覚醒効果を防ぐこともありますが、最初にお伝えした「時刻を分からないようにする」役割もあります。

3番目の別の部屋に行くことは、余計に目が覚めてしまい、寝つきが悪くなると感じてしまうかもしれませんが、科学的にそれを行った場合と行わなかった場合を比較して得られた方法です。

注意してほしいのが、別の部屋に移動した後、あるいは別の部屋でなくてもソファに移動した後に、テレビゲームやスマホでリラックスしようとするのはNGです。

また勉強や仕事など、集中して脳を興奮させてしまうこともあまり良くありません。

オススメは横にならずに読書などをすること。

マンガやファッション雑誌など、気楽に読めるものが良いとされています。

大切なことは、これらのことを「習慣づける」ことです。

最初は慣れずに苦痛を感じてしまいますが、睡眠が取れた、取れないに関わらず、毎日続けることが大切です。

通勤電車の中で眠るクセがついている人も、できるだけ起きるように心掛けて、疲れを感じることを意識してみましょう。

以上が「睡眠不足を解消する自然な方法」になります。

冒頭でもお伝えしたように、誰にでも効果がある快眠方法は存在しません。

しかし、自分の体や性格に合った不眠解消法はきっとあるはずです。

薬や高価な快眠グッズに頼りがちになってしまいますが、まずは自分の力で眠れる習慣を身につけることを強くオススメします。

あなたに合った自然な睡眠方法が見つかれば幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。Ofee

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