嫌われる人の特徴10のまとめ

なぜ人は人間関係に悩み、極端に「人から嫌われること」を恐れるようになるのでしょうか?「人に嫌われない人物」を演じるのは大きなエネルギーを消費します。本音で話せればどれだけスッキリするのか分かっていながら、相手との関係性を壊したくないが故に、良い意味でも悪い意味でも「気を使う」あるいは「意見を控える」といった行動を取ります。中には人から嫌われることを避けるあまり、まわりとコミュニケーションを取ること自体を諦めてしまう人もいるでしょう。

そこで今回は心理学的に見た「嫌われる人の特徴(しぐさ・言葉・考え方)」についてまとめていきたいと思います。これらの特徴を通して、職場の人間関係を円滑にするため、暖かい家庭環境を築くため、恋人との関係を良くするため、などに役立ててもらえたら幸いです。(画像の人物と内容は関係ありません)

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嫌われる人の特徴とは

 

 

嫌われる人の特徴①:完璧主義

嫌われる人の特徴①:完璧主義

完璧主義者とは、何事にも100%の結果を求めようとする人を意味します。完璧主義の人は、とにかく自分自身を完璧に見せることに躍起になります。しかしながら、人間は不完全な生き物です。誰かしら得意、不得意なことを持っていますし、全ての才能を持ち合わせた人物など存在しません。

ですが完璧主義者は不完全である自分を認めることができずに、自分を追い詰めてしまいます。学校のテストで90点を取っても「あと10点さえ取れれば」、会社で営業成績2位になっても「また1位にはなれなかった」など。このように全てにおいて完璧を求めるあまり、ストレスを抱え込むが故に「嫌われる人」になりやすくなるのです。

特に問題なのが、完璧主義者は自分以外の人にも「完璧」を求める点です。テーブルマナーに気をつけている人なら、クチャクチャと音を立てて食べる相手に不快感を持ちます。礼儀作法を重んじるあまり、ちゃんと挨拶のできない人を見かけると注意せずにはいられないでしょう。待ち合わせ時間に正確な日本人は、時間にルーズな外国人にイライラするかもしれません。

一生懸命努力することは間違っていませんが、上手くいかない自分の葛藤を無意識のうちに周囲に向けて発散していることは多々あります。相手や自分の欠点を認め、責めるよりも、改善できる方法を見出す「心のゆとり」を持ち合わせたいものです。

 

嫌われる人の特徴②:自分のことばかり話す

嫌われる人の特徴②:自分のことばかり話す

積極的にコミュニケーションを取ろうとして印象を悪くしてしまう例に「自分のことばかり話す人」がいます。心理学では自己愛(ナルシシズム)の強い人の特徴だと言われています。また自己愛の度が過ぎると、社会生活にも支障をきたす自己愛性パーソナリティ障害である可能性も。

特徴的なのが、自分のことを話すとき(自分を目立たせること)はやたら積極的で、他の人がホメられたりすると急に不機嫌になるところです。健全なコミュニケーションとは意見のキャッチボールですから、一方的に言いたいことを伝えるだけでは会話は成り立ちません。

また人に好かれるために「聴き上手」に徹する人がいますが、ただ聴くだけでは十分とは言えないでしょう。「相手の話しをきちんと聴く」のと同じくらい大切なことは「聴いて理解していることを相手に示す」こと。相手の意見を踏まえた上での自分の考えを伝えるのは当然ですが、あいづちや聴くときの姿勢から興味を示すことも重要です。

関連記事:自己愛が強い人の特徴と対処法

 

嫌われる人の特徴③:距離感が分からない

嫌われる人の特徴③:距離感が分からない

嫌われる人の特徴のひとつに「適切な距離を取れないこと」があります。プライバシーの面から見た距離感もそうですが、ここで触れているのは物理的な距離です。人は無意識のうちに作り出す「縄張り意識」のようなものを持っていて、心理学ではこれを「パーソナルスペース」と呼んでいます。

このパーソナルスペースは、大きく4つの距離に分類され、家族や恋人の距離、友人の距離、仕事仲間の距離、見ず知らずの人の距離などがあります。つまり、その人が持っている相手との適切な物理的距離があるのです。

これは男性か女性か、外交的か内向的かによって大きさが異なってきます。例えば外交的で誰とでも仲良くしようとする人は、パーソナルスペースを小さく取ります。反対に内向的な人は大きくパーソナルスペースを取ることが分かっているのです。

このことから考えられる「嫌われる要因」は、気づかないうちに相手のパーソナルスペースに侵入してしまうこと。たいして親しくないにも関わらず、やたら近い距離を取れば、相手はその不自然な距離感を不快に思うでしょう。反対に親しいと思っていたのに、やたら距離を取られたら「嫌われているのかな?」と感じるはずです。

 

嫌われる人の特徴④:第一印象が悪い

嫌われる人の特徴④:第一印象が悪い

初対面の人と出会うと、人は無意識のうちにイメージを固定化しようとします。第一印象から「この人は優しそうだな」や「どこか胡散臭いな」などようにレッテルを貼ってしまうのです。心理学ではこれを「ラベリング」と呼んでいます。

そして第一印象の定着したイメージから、ある程度のその人全体のイメージを決定します。(出会ってから3回目までにイメージが固定化するとも言われています。)つまり、第一印象の評価が、その人に対する好き嫌いに大きく影響すると考えられているのです。

心理学ではこれを「初頭効果」と呼んでおり、心理学者のアッシュは架空の人物の評価を通して証明しています。「知的・勤勉・衝動的・批判力がある・強情・嫉妬深い」と読み上げた人物と、特徴の順番を逆にして読み上げた人物の印象がどう変わるのか調査しました。

結果は「知的~」から始まった人物に対しては「多少の欠点はあるが、概して能力に恵まれた人物」、「嫉妬深い~」から始まった人物は「能力はありそうだが、欠点が目立つせいで本来の能力が発揮されていない人物」という印象を持ったのです。

実験の結果からも分かるように「第一印象」がその人のイメージに大きく影響します。仕事の忙しさから来るストレスによって、初めて会う相手に悪い印象を与えてしまうと、そのイメージが固定化されてしまうことも十分に考えられるでしょう。常に印象を良く見せようとする必要はないと思いますが、初対面の印象を特に大切にする価値はあるのではないでしょうか。

関連記事:日常生活で使える心理学テクニックのまとめ

 

嫌われる人の特徴⑤:不快を示すしぐさ

嫌われる人の特徴⑤:不快を示すしぐさ

相手とコミュニケーションを取る場合、言葉以外のしぐさや表情も重要な役割を持っています。特に「しぐさ」というのは、無意識のうちに行っている場合がほとんどで、だからこそ本音が表れている部分だと言えます。

嫌われる人の特徴として、不快や退屈を示すしぐさが意図せず癖になって表してしまっている場合があります。もちろん心のどこかでそのように感じていることも十分に考えられますが、「自分は不快に思っている」というメッセージを出しながらコミュニケーションを取っていては、相手も悪い気分になるのは当然です。

例えば、退屈を表すしぐさに「頬杖をつく」があります。仕事にやりがいを感じられない、趣味の時間を持てないでいる、といったように考えていると会話の最中に頬杖をついてしまっているかもしれません。他のことで退屈しているにも関わらず、話している最中にこのしぐさが表れれば、「私の話しに興味が無いのかな」と誤解されることもあるでしょう。

ここではその他のしぐさについて詳しくは触れませんが、相手に不快を示すしぐさが癖になってしまっている人は注意が必要かと思います。本音と建前を使い分けるにしても、無意識のうちに自分の印象を悪くするようなしぐさをしていないか確認してみてください。

関連記事:腕を組むしぐさの心理

 

嫌われる人の特徴⑥:言葉の距離感を間違える

嫌われる人の特徴⑥:言葉の距離感を間違える

言葉づかいに気をつけることは、自分の意志を伝える上で非常に重要です。普段何気なく話しているつもりでも、ちょっとしたニュアンスの違いで誤解を招いたり、相手を怒らせてしまうことがあります。こうしたトラブルは、相手との心理的距離をうまく取れなかったことが原因だと考えられます。

例えばこんな経験をしたことはないでしょうか。上司に「今日は無礼講だから」と言われ、それを真に受けて親しくした結果、失礼な言葉づかいを注意された。丁寧な言葉づかいに気をつけるあまり、親しい友人がなかなかできない。

良好な人間関係を築き上げるためには、自分の立場をわきまえることが大切です。相手との心理的距離を把握できなければ「妙に馴れ馴れしいな」とか「無愛想で冷たい人だ」という印象を持たれてしまうかもしれません。

言葉の距離に悩んでいるのであれば、身近にいる「言葉づかいを上手に使い分ける人」を参考にするのも良いでしょう。周囲から好感を持たれる人が、どんな言葉づかいをしているのか、どのようにして切り替えているのか意識して観察することで、意外な発見があるかもしれません。さらには、そういった人物と接する中で、自分のコミュニケーションのスキル向上が期待できるはずです。

 

嫌われる人の特徴⑦:いつも余裕がない

嫌われる人の特徴⑦:いつも余裕がない

技術の進歩とは素晴らしいもので、新幹線や飛行機での移動時間短縮、メールによる伝達スピードの向上など、物事を効率よく迅速に行うことができるようになりました。しかし、時間ばかり気にしていると、急ぐ必要のないことまでどこか焦るよう気持ちになってしまいます。

その結果「早く終わらせなければ」と心の余裕が持てなくなり、時間に追われ、常にストレスを抱え込むようになります。本人はいたって冷静に話しているつもりでも、慢性的な焦りのストレスから、口調が強くなったり、怒っているように聞こえてしまうものです。

効率よく仕事をする人ほどオンとオフを切り替えることに長けています。心理カウンセラーの心屋仁之助さんは著書「好きなことだけして生きていく」の中で、飛行機のビジネスクラスとファーストクラスに乗る人の違いについて述べています。

ビジネスクラスの人はビシッとスーツを着こなして、飛行機の中でも常に忙しくしている。ファーストクラスの人は、カジュアルで楽な格好をして、隣の人とにこやかに会話したり、ゆったり新聞を読んでいる。ビジネスクラスまでなら「自力」でなんとか頑張れるものの、ファーストクラスともなれば他人を信じる「他力」が必要になってくるのだそうです。

良好な人間関係を築き上げるためにも、「焦り過ぎて口調が強くなっているな」と自覚することも大切でしょう。一本早めの電車に乗って余裕を持って通勤したり、普段は降りないひとつ前の駅でブラブラしてみるのもいいかもしれません。心の焦りを慢性化させないためにも、いろいろと工夫してみてはいかがでしょうか。

 

嫌われる人の特徴⑧:会話の間が短い

嫌われる人の特徴⑧:会話の間が短い

人が相手とコミュニケーションを取るとき、2種類のコミュニケーションから意思伝達を行います。ひとつは言葉による言語コミュニケーション、もうひとつは言葉以外の非言語コミュニケーションです。この非言語コミュニケーションには身振り手振りといったジェスチャーから、顔の表情、沈黙などが含まれます。

非言語コミュニケーションの「沈黙」には、会話における「間」があります。会話の間が短い人の特徴として、相手の間の沈黙に耐えられなくなり、次々と新しい話しをすることがあります。会話のテンポは人それぞれであり、早い人と遅い人が話しをすれば、お互いに苛立ちを覚えるのも無理はありません。

しかしながら、相手のテンポに合わせて話すことも、コミュニケーションを取る上で重要なスキルです。相手のゆっくりとした間を楽しむぐらいの余裕を持つことができれば、相手の方もきっと好印象を持ってくれるはずです。

関連記事:非言語コミュニケーションの種類と重要性

 

嫌われる人の特徴⑨:失敗を他人のせいにする

嫌われる人の特徴⑨:失敗を他人のせいにする

長い人生の中で誰でも失敗するとこはありますが、それをどう受け止めるかは人それぞれです。ある事が発生した際、その原因をどこに求めるかという考え方をローカス・オブ・コントロールといいます。この考え方には2種類あり、外的統計型と内的統計型があります。

外的統計型は、失敗した原因を自分以外の人物に求めます。テストで悪い点数を取れば、遊びに誘ってきた友達のせいだ。仕事でミスをすれば、一緒に取り組んだ同僚の実力不足を指摘するでしょう。こういったタイプは責任を転嫁するため、落ち込んだり、後悔することはあまりありません。しかし、自分の非を認めないことから、同じ失敗を繰り返してしまうことが多くなります。

内的統計型は、失敗の原因を自分に求めます。外的統計型とは反対にストレスを溜め込む傾向がありますが、同じ失敗を繰り返さないように反省することができます。全ての結果は自分次第なのだということを踏まえ、それを成長する糧にできるタイプです。

どちらのタイプが「嫌われる人の特徴」かは、一目瞭然でしょう。全ての責任を背負う必要はありませんが、自分の失敗を素直に認めることができるのは素晴らしいスキルです。失敗を反省することなく都合の良い解釈ばかりする人物ではなく、失敗の原因を追究し次の機会に生かすことができる人物に周囲は好感を持つはずです。

 

嫌われる人の特徴⑩:叱り方が間違っている

嫌われる人の特徴⑩:叱り方が間違っている

叱り方が間違っている人は、ただ闇雲に自分の不満を相手にぶちまけている人です。叱る目的は相手の失敗を指摘し、同じ過ちを繰り返さないようにすることであるはずです。ですが、コンプレックスが原因で、自分の精神を安定させるために部下を罵倒する上司も少なくありません。

ではどういった叱り方が間違っているのか?まず考えられるのが、わざわざ同僚の前で叱るやり方でしょう。叱っている本人は、周囲を鼓舞するためにも効果的だと考えているのかもしれませんが、これは全くの逆効果です。見せびらかすように叱るのは、相手に恥をかかせることになり、自信や意欲の喪失になりかねません。

相手の立場や気持ちを考慮するなら、まわりに人がいないところで叱ることが効果的でしょう。また叱り方にもポイントがあります。それは最初と最後を「ほめる」ことです。どんな失敗にも必ず努力した痕跡があるはずです。些細な事でもまずホメて、それから注意すべきことを伝え、最後に意欲が湧くような言葉をかけてあげてください。

その他にも、ダラダラと長く叱る、時間が経ってから叱る、否定的な言葉から始まるのも正しい叱り方とは言えません。感情的ではなく冷静に間違いを指摘すれば、叱られた方も素直に受け入れる余裕ができ、前向きに考えることができるはずです。

 

嫌われることを受け入れる

どんなにコミュニケーション能力に長けている人でも、誰かしら苦手な人物は存在します。人に嫌われることを恐れすぎて、仲の悪い上司と部下との板挟みにあったり、自分の意見を持っていない人物だと評価されてしまうこともあるでしょう。中にはユニークな才能を妬んだり、羨ましがるが故に「嫌う」という人もいるはずです。

伝えたいことは、全ての人に好かれる必要はないということです。冒頭でも述べたように、誰からも好かれる人物を演じることは心の大きな負担になります。ある意味では「いまの自分を否定する」ことにもなるので、自己嫌悪に陥る可能性も十分に考えられます。

「誰からも嫌われてはならない」という間違った考えではなく「たまには嫌われることもあるさ」と軽く受け入れるくらいがちょうどいいのではないでしょうか。人間関係を良好にするためにも、ある程度の「嫌われる覚悟」を持てれば、肩の力が抜けて自然なコミュニケーションが取れるはずです。最後までご覧いただきありがとうございました。

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