ごぼうは日本人しか食べない

日本人には馴染みのある食材でも海外では全く食べられないモノがある。

それは豚汁やキンピラなどによく使われる「ごぼう」。

タイトルには「日本人しか」と記載したが、韓国や台湾、日本で古くから食べられている。欧米ではバードック(burdock)というハーブとして、中国では漢方薬として使われている。しかし世界的にゴボウは食材としてはあまり認知されていないのが現状だ。

欧州では「日本人は木の根っこを食べる」という理由で驚くという。

ゴボウ独特のえぐみや香りが外国人には受け入れがたいようだ。

日本向けにゴボウを輸出している中国の山東(シャントン)省でも、栽培しているのにもかかわらず、ゴボウ自体を食べる習慣はない。

また第二次世界大戦中には捕虜になったアメリカ人が食事として出されたゴボウを「木の根っこ」を食べさせられたと訴えた事件まである。

その後の裁判では当時の収容所の責任者が、木の根っこを食べさせた捕虜虐待の罪で有罪判決を受けたというから驚きだ。

しかしこの世界的にマイナーな野菜「ゴボウ」には、食物繊維が非常に多く含まれており、便秘やむくみ、血液浄化などにも効果がある。発ガン性物質を排出する機能まであり、大腸ガンの予防にも良いことがわかっている。

古くからゴボウを食べると精がつくと言われているように、ゴボウにはアルギニンという成分が含まれており、これは男性機能に効果的、栄養ドリンクなどにも含まれている。

少しずつではあるが、これらの効能が世界的に認知されつつあり、近年では他の国でも食べられるようになってきた。

ここで「ごぼうの成長」に関する雑学をご紹介。

一般的に売られているゴボウは細長いモノだが、実は放っておくとさらに大きくなり、野球のバットくらいの太さになるというから驚き。

「じゃあそんなに成長するなら太く育ててから売ればいいのに」と思うかもしれないが、この成長したゴボウ、残念なことに身が詰まっていなくておいしくないのだ。

 きんぴらごうぼうの「きんぴら」は・・・

先ほどお伝えしたように、栄養価が高いことや、大腸ガン予防にも効果があることからゴボウは注目を浴びてきている。

ごぼうの歴史は古く、平安時代から日本人は野菜として食べるようになった。

原産地の中国やヨーロッパでは、あくまで野生のものを利用するのに対し、日本では栽培し作物として扱ってきた。

そんなゴボウを使ったお惣菜としても人気が高い「きんぴらごぼう」。

この「きんぴら」、実は金太郎の息子である坂田金平の名前を取ったものだといわれている。

江戸時代に人気のあった浄瑠璃(当時の音楽劇)の主人公である坂田金平は金太郎で有名な坂田金時の息子で、彼もまた父親ゆずりの豪傑だった。

金平が主人公の浄瑠璃には悪者や化け物を退治していくものが多く、当時の江戸ではすごい人気だったという。

そんなことから金平という名前が強さの代名詞として使われるようになり、いろいろな商品の名前に使われるようになった。

そして当時人気のあった惣菜である「きんぴらごぼう」も、赤くて辛くて固いことから「きんぴらごぼう」と名がついた。

しかし、あくまで坂田金平は浄瑠璃に登場する人物であって、実在はしていない。

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