おかゆの消化

風邪をひいたときなどに食べる「おかゆ」。

一般的に消化が良く、胃や腸を休ませると思われがちだが実は間違い。

白米やパンなどのデンプン(炭水化物)を消化する際には、だ液に含まれているアミラーゼという酵素がデンプンを分解する。

つまり噛まずにすぐ飲み込んでしまうおかゆよりも、口の中でゆっくり噛んだご飯の方が消化によいのだ。

また、水分の多いおかゆは胃の中で胃液を薄めてしまうので消化の妨げとなってしまう。

しかし、食欲がなく普通のご飯を食べるのがつらいというときに栄養を取るという意味では食べやすいおかゆは適切で、おかゆをよく噛んで食べれば消化に使う負担も抑えられるので胃に良いのだ。

またお米をお湯で研ぐとおいしくないとされているが、これはお湯の温度が高いと米の表面のデンプンがのり状態になり、中心部分が硬いまま炊き上がってしまうので、おいしくない。

また、温めるとお米に含まれているアミラーゼが働きだし、糖が溶け出してしまうのでご飯の甘みがなくなってしまう。

おいしいご飯を炊くコツは、冷たい水でお米を手早く研ぎ、そのまま水に夏場は10~30分、冬場は30分~1時間程度ほどひたしてから炊くとおいしいといわれている。

この研いだ後のお米を水に浸す行為は、先ほど説明したアミラーゼという酵素が関係しており、お米の一粒一粒に十分な水分がいきわたり、炊飯中にデンプンが糊化し、芯のないふっくらとしたご飯ができるとされている。

その後、炊き上がったら、濡らしたしゃもじで底からお米を持ち上げるように上下に混ぜる。

これはお米を空気に触れさせることによって余計な水分をとばし、お米の粒をたたせることでおいしくなる。

またマナーの面で、ご飯をおかわりせずに一膳で食べ終わるとよくないとされているのはご存じだろうか?

これは「一膳めし」といって、人様のお家でごちそうになるときなどに少しでもいいから軽くおかわりをするべきなのである。

それはこの「一膳めし」、お葬式で、亡くなった人の枕もとにお供えする、最後の食事とされているからだ。

そのことから縁起が悪いとされている。

そして一粒のお米から秋に収穫できるお米の粒数をご存じだろうか?。

答えは1600粒。

つまり一粒のお米から1600倍もの収穫ができ、1万円分のお米が1600万円にもなるのだ。

もちろん良質な田んぼや、お米の栽培にあった気候、収穫量による価格変動なども影響するのでそんな簡単な計算にはならない。

だが、お茶碗一杯のご飯粒の数を3200粒とすると、たった2粒のお米から秋には茶碗一杯になるのは驚きだろう。

一年に3回お米が収穫できる地域

最後にお米の収穫に関する雑学をご紹介。

地域によっては二期作で年に2回お米を収穫するところもあるが、日本では年に1回の収穫が一般的だ。

海外のインドネシア・バリ島では三期作で、稲刈りをしているそばで田植えをしている光景を同時に見られるというから驚き。

このように年に3回も収穫できるのは、バリ島ならではの気候によるものだが、実は日本にも同じように三期作を行っている地域がある。

それは沖縄県石垣島。

沖縄もバリのように暑いからできるのだろうと思ったかもしれないが、そう簡単なものではないらしい。

この三期作に取り組んでいるのは石垣島の仲新城淳さん。

一年のスケジュールは、1月に田植えを開始し、5月に稲刈り、すぐに2度目の田植えをし、8月に収穫、またすぐに3度目の田植えをして年末に収穫する。

三期作は日本のように冬がある国では難しいとされていたが、石垣島の気候と仲新城さんのたゆまない努力によって可能になったわけだ。

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