ガッツポーズ

元ボクサーでWBC世界ライト級のチャンピオンだったガッツ石松氏。

当時のガッツ石松にはサボり癖があり、ランニングに行ってくるといっては帰りに水を被って、あたかも汗だくに装ったことがあったという。

世界王者になる前は鈴木石松というリングネームだったが、ジム側のガッツのあるボクサーになってほしいとの思いから現在のガッツ石松という名前になったそうだ。

そしてスポーツなどで勝利したときなどに見かける「ガッツポーズ」は、ガッツ石松氏がボクシングの試合で勝利し、両手を高々と挙げたポーズから由来しているといわれているが、実はもっと前にガッツポーズは存在していた。

それは「ガッツボウル」というボウリング雑誌。

1972年12月14日号でストライクを取った後の決めポーズを「ガッツポーズ」として名付けたことが始まりだという。

当時の記事には「自分だけのガッツポーズをつくろう」という特集があり、中には円盤投げ型や盆踊り型など多彩なポージングが掲載されていたそうだ。

ガッツポーズの規定は特になく、とにかく喜んでいる様子を表していれば何でもありだったようだ。

しかし、ガッツポーズの由来には諸説あり、「ガッツ石松由来説」の方が正しいとする意見や、「ガッツボウル説」は一般的に浸透しているガッツポーズとの因果関係は立証されていないという意見もあるようなので、一概にどちらが正しいとは言えないのが現状のようだ。

ちなみにこのガッツポーズをめぐってトラブルが起きることがある。

例えば礼儀作法を重んじる剣道では一本を取った後にガッツポーズをした場合、不適切な行為とみなされ一本を取り消すことがある。

相撲でも2009年の千秋楽で横綱の朝青龍が土俵上でガッツポーズをし問題になっている。

野球でも楽天時代の田中将大投手はストライクを取った後に豪快にガッツポーズをしていたが、メジャーリーグへ行くと文化の違いからガッツポーズを抑えめしなければならなかったということで物議をかもしている。

個人的には勝利したときに堂々とガッツポーズをしている方が、その分、感動も伝わると思うのだが、相手の心情を察したり、礼儀を尊重する文化によって、その捉え方はさまざまなようだ。

 

ガッツ石松のOK牧場はただの言い間違い

上の記事でもご紹介したガッツ石松といえば「OK牧場」というフレーズが有名だろう。

バラエティ番組でも、どんな質問に対しても使える「OK牧場」は一時期大ブームとなったことを覚えている人は多いはず。

しかしこの「OK牧場」はガッツ石松のただの言い間違いから生まれたそうだ。

アメリカのテレビで「ララミー牧場」という人気の西部劇があり、日本でも放送され、子供のころのガッツ少年はロバート・フラーが演じた主人公ジェスに強い憧れを抱いていた。

するとガッツ石松が総指揮、監督、主演で制作された「カムバック」という元世界チャンピオンのボクサーが息子のためにカムバックする姿を描いた映画で、そのロバート・フラーの出演をとりつけたのだ。

撮影のクライマックスシーン、憧れのロバート・フラーの演技を目の前にし、「OK」と言おうとしたそのとき、あろうことか緊張のあまり「OK」と「ララミー牧場」がごちゃまぜになり「OK牧場」と叫んでしまったのだ。

なんともガッツ石松らしいエピソードだといえるだろう、あのテレビでよく見た「OK牧場」にはこんな微笑ましい事が起こっていたのだ。

 

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