バドミントンの線審

2014年9月韓国で行われた仁川アジア大会でバドミントン男子団体の日韓戦で田児賢一選手が出場した試合で、ある疑惑が起きたことは記憶に新しいだろう。

問題となったのは空調、通常バドミントンではアゲインスト(向かい風)の影響を受けると不利とされている。バドミントンのシャトルの重さは約4.7gでとても軽い。

バドミントンの試合では、公平にするためにコートを交互に入れ替わって、試合を行うのだが、田児選手がコートを入れ替わった後も向かい風となった疑惑が生じている。

驚くことに他の選手にアンケートを取ったところ、この仁川アジア大会にかかわらず、室内で行われたバドミントンの試合で風の影響を受けたと実感した選手が多数いるようだ。

今回紹介する雑学は、この疑惑とは少し離れるが、バドミントンだけではなくサッカーやテニス、野球などでも問題になるのが審判のジャッジである。

ラインの外か内でその試合の結果が決まる重要な判定だ。この重要な判定、最近ではビデオ判定などで判定結果がくつがえることもあるが、「今のわかりませんでした」とジャッジすることはない、バドミントン以外は。

そう、実はバドミントンのライン際にいる線審は「今のはよく見えませんでした」と正直にジャッジすることがあるのだ。

バドミントンのスマッシュは、シャトルのスピードが300㎞を超えることもあり、なおかつシャトル自体も小さい。コートも狭いため、スマッシュしたシャトルは一瞬でライン際に落ちる。激しく動き回る選手の影で見えないこともあるだろう。

そんなときライン際で入ったか入っていないか判断するのがバドミントンの線審だ。この線審、もし自分でシャトルが入ったどうか判断できなかったときに両目をおおうジェスチャーをする。そして改めて主審が判定することになる。

ちなみに、バドミントンでは線審が下した判定は絶対で、主審させくつがえすことはできない。そのぶん線審はそのジャッジに慎重であり、「よく見えませんでした」と正直に判定することが用意されている。

ただし、公認審判員規定では、線審は担当ラインに全責任をもつが、線審が明らかに間違った判定をしたと主審が確信して、線審の判定を変更することがある、とある。

バドミントンのスマッシュの速さは新幹線以上!?

バドミントンはシャトルコックと呼ばれる羽根のついたシャトルを打ち合うのだが、たった5グラムほどの軽いシャトルがなぜあれほど速いスピードを出せるのだろうか?

シャトルコックは、打たれた瞬間に羽根の部分がつぶれた状態で飛び出すので、空気抵抗が少なくなる。

そのため男性のプロ選手が全力でスマッシュを打つと、その初速は時速350km以上にもなるという。

新幹線の時速が速いもので320kmほどなので、それよりもバドミントンのスマッシュは速いのだ。

しかし、これはあくまで初速のスピード、終速になると時速60~80kmに減速する。

この理由は、放たれた際につぶれた羽根の部分が元に戻り、急激に空気抵抗が増えるため。

だから新幹線以上の速度で放たれたシャトルでも、選手たちは打ち返せるというわけだ。

スポンサーリンク