京都の老舗お茶屋さんの三星園16代目当主の上林三入さんが最もおいしい緑茶の入れ方を解説していたのでまとめてみた。
三星園は京都の山岳地方の宇治で創業450年もの歴史があり、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、明治天皇など、名だたる偉人たちに愛されてきた。
また初代はあの千利休と友人関係にあったというから驚きだ。
当主の上林三入さんは宇治茶の味と伝統を今に伝え、自らお茶の製造に携わり、多くのメディアにも登場している。
そんな上林さんが教えてくれた究極の美味しいお茶の入れ方や意外と知られていないお茶の雑学についてご紹介する。
緑茶が最も美味しくなる方法は氷水で入れる
なんと緑茶を最もおいしく入れる方法はお湯ではなく、氷水で入れる事。
手順は以下の通り。
- 急須にお茶の葉を入れる
- 氷を5~6個入れる
- 少々の水を入れて待つ
これがおいしいお茶の究極の入れ方なのだ。
氷水を入れることによってお茶に含まれるうま味成分の甘味のあるアミノ酸がおおく抽出される。
多少時間はかかるが、お茶の持つ本来の味の引き出し方としては最高の方法なのだ。
熱いお湯で入れたお茶と、氷水で時間をかけて出したお茶を飲み比べるとその違いに驚くというので興味があればぜひためしてほしい。
また氷水を入れてからかかる時間については、個人の好みにもよるが3時間以上が目安とされている。
一杯ごとにそんな待てない!という方は大きめのティーポットに茶葉と氷水を入れ冷蔵庫で一晩かけてゆっくり出すことでもおいしくいただける。
なぜ氷水で入れる方法は広く知られていないのか?
それはこのやり方でお茶を入れると杯数も多くできるので、教えてしまうとお茶屋さんが儲からなくなってしまうからだという。
熱いお湯で下手くそに入れた方が茶葉が早く開き、開ききったら次のお茶を使ってもらえる。
実際に氷水で入れるのと熱いお湯で入れるのでは消費量が倍くらい違う。
熱湯でお茶を入れるとカテキン、タンニンが多く出るので渋くなる。
熱ければ熱いほど苦みが多く出てしまうので、手間暇をかけて育てた茶葉本来の味を楽しみたいなら冷水でゆっくりと出したほうがいいのだ。
やっぱり熱いお茶が飲みたい
やっぱりお茶は熱くないと、と思う方も多いはず。
どうしても熱いお茶を飲みたい場合は以下のように入れると良いそうだ。
湯呑にお湯を入れて温度を下げる(そうすると20℃くらい温度が下がる)
お湯を急須に移し1杯ずつ入れる
直接ポットのお湯を茶葉の入った急須に入れるのはNG。
おいしい茶葉の見分け方は茶葉は形状が細い方が良いという。
例えるなら雑巾を硬く絞ったような感じ。
ゆるく絞ってあるのは渋くなりやすく、しっかりと揉めた細かい茶葉を選ぶことを勧めている。
茶葉の保存方法
また茶葉を冷蔵庫に保存している方もいるかもしれないが、冷蔵庫を過信しすぎるのはダメだという。
急激な温度変化を与えてしまうのは茶葉にとってあまりよくなく、茶葉にダメージを与えてしまう。
良いお茶だからといって冷蔵庫に入れ、来客時に出してすぐに蓋を開けるのはNG。
例えるならビール瓶を冷蔵庫から出して水滴がつくのと同じで、中に湿気が入ってしまうのだ。
面倒かもしれないが、来客のときは1日前に冷蔵庫から出して常温と同じ温度になってからお茶を入れた方がおいしくなる。
玉露って何?
玉露とは緑茶の中で最高級品のもので、八女の玉露もあれば、静岡の玉露もある。
煎茶よりも数倍手間暇がかかっており、茶畑の上に覆いをかけ、その中でゆっくりと熟成した新芽が育つ、その後手で摘みできるのが玉露。
抹茶と玉露は製法が同じで、茶葉を揉んでいくと玉露になり、葉っぱを蒸して乾燥させたものを石うすにかけたものが抹茶になる。
せっかくの高級なお茶も入れ方次第では味に大きな違いが出る。
特に大事なお客様の場合に備えて、おいしい究極のお茶の入れ方を覚えておきたいものだ。
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