本日は意外に知られていない虫の生態に関する雑学をご紹介。
秋になると、いつの間にか現れるトンボ。
昔は水中の害虫を食べる益虫として扱われたこともあった。
このトンボのオスがメスに対して非常に嫉妬深いことをご存じだろうか?
虫は、交尾の後オスとメスが別れてしまうものが多いが、トンボは産卵が終わるまで繋がっていたり、メスが産卵している最中に他のオスがこないように見張っていたりする。
また嫉妬深いといわれる理由にはその交尾の仕方にある。
オスの腹にはブラシがあり、交尾の前に、このブラシでメスの尾の中に入っている他のオスの精子をかき出し、自分の精子を渡すのだ。
産卵まで見張るのは浮気をされないため、他の新しいオスに同じようにブラシでかき出されないように見張るのだという。
トンボのオスは、メスを見つけると、メスの首を尾の先のペンチのようなものではさむ。この状態で飛ぶことはタンデムとか、尾つながりと呼ばれている。
交尾のときだけではなく、多くの種類が産卵もこのようにつながったままする。
トンボの交尾はハート型といわれていて、オスがメスの尾の先で首をつかみ、メスは尾の先でオスの腹にある精子を受け取る様子からきている。
体がやわらかいトンボの仲間ほど特にこのハート型はきれいに見えるといわれている。
アリの行列はフェロモンによってできる
公園などで甘いお菓子を落とすと、いつのまにか行列を作っているアリ。
アリはエサを見つけると腹部に先から道しるべとなるフェロモンを、地面につけながら巣へと帰る。
仲間はそのフェロモンをたどってエサ場へ行く。これを繰り返すので行列ができるというわけだ。
また、1か所ではなく、いろいろな場所からエサを探すアリのフェロモンは、揮発性が高く、数分間で消えてしまう。エサが少なくなるころには、フェロモンは薄くなるのだ。
アリはこの道しるべフェロモンを触覚で確かめることがわかっている。
クロクサアリのフェロモンを取り出し、その分泌液で描いた線で行った実験では、一本の直線を引いたものは、アリは左右にブレながら進み、右の触覚を切られたアリは右へ方向転換できなった、2本の線を引くとブレずにまっすぐ進んだという。
ちなみにシロアリの道しるべフェロモンはインクの成分と似ているため、ボールペンなどで線を引くとシロアリは勘違いして、たどってしまう。
蚊を参考にした注射針
最近でも国内でデング熱の感染者が報告されたニュースもあったが、ここでは蚊に関する雑学について。
人間の血を吸うのはメスだけで、オスは花の蜜や果汁を吸って暮らしている。
蚊の唾液には、血が固まらないようにする物質や、痛みを麻痺させるタンパク質などが含まれており、これらのタンパク質がアレルギー反応を起こして蚊にさされるとかゆくなる。
また蚊にさされても痛くないことをヒントに、テルモと岡野工業によって共同開発された注射針は、世界一細く、およそ0.2mmしかない。
糖尿病治療で使うインスリン用注射針で実用化され日本産業デザイン振興会のグッドデザイン賞も2005年に受賞している。
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