ペンギンの種類は18種類といわれていて、ペンギンと聞くと南極を連想する人もいるかもしれないが、南極で繁殖するのはコウテイペンギンとアデリーペンギンの2種類しかいない。
それ以外の種は南極海の島々や南アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドで繁殖し、ガラパゴスペンギンは赤道直下のガラパゴス諸島で繁殖する。
最も大きいペンギンはコウテイペンギンで、体重は30kgを超え、体高も115cmに達し、地球上でも最も厳しい環境下といわれる南極で繁殖する。
海が凍り始める頃に、50~120km内陸の氷原で大きなコロニーを作り、巣は作らずに1卵だけ産む。
卵を産むとメスは海へと戻り、オスは産み落とされた卵を足の上に乗せて足と下腹の間で卵を温め、卵がふ化するまで2か月以上もかかる。
海から上がってつがいを作り、産卵して海に戻ったメスが再び陸に来るまでの約110日もの間、オスは絶食しなければならない。
メスはちょうどふ化する頃に戻っては来るが、ふ化してからメスが戻るまでの数日間、オスはペンギンミルクと呼ばれる食道からの分泌液をヒナに与える。
メスが戻ると、交代して今度はオスが海へ戻る。次にオスが戻ってくるまで1ヶ月ほどかかるが、徐々にオスメスがヒナへ運ぶエサの間隔が短くなり、ヒナが45~50日齢の頃からオスとメス共に海へ出かけるようになる。
コウテイペンギンはペンギンの中でも変わっていて、オウサマペンギンはコウテイペンギンと同じように1卵だが、その他のペンギンは通常2卵産み、小石を積み上げたような巣をつくるか、砂穴や岩穴の中で卵を産む。
そして、オスメス共に抱卵、育雛に関わるのが普通なのだ。
しかし、抱卵の担当期間は種によって様々であり、ジェンツーペンギンは1日交代、アデリーペンギンやマカロニペンギンは10日以上連続して抱卵するので、最初の担当であるアデリーペンギンのオスやマカロニペンギンのメスは、30日以上絶食することになる。
ペンギンは海での生活に特殊化し、鳥なのに空を飛べず、その翼は骨が癒合して一枚のオールのような硬いものになっており、コウテイペンギンはその翼を使って時速10km以上の速さで泳ぐことができる。
南極付近は当然のことながら寒く、水中では熱が奪われやすいので、寒さ対策も特殊化している。
普通の鳥だと羽毛は特定の場所にしか生えないが、ペンギンは体表全体から生えている。
それぞれの羽毛は非常に硬く短く、1本1本の根元に細かい綿羽がついていて、これが保温層を形成していて、その下に分厚い脂肪層があり保温効果がある。
水族館のペンギンがつけているリング
あの愛くるしい姿で人気のペンギン。
よく見ると翼にはリングがついていて色も黄色や青色、緑色とオシャレをしているかのようにカラフルだ。
実はこのリング、ただのおしゃれ目的ではなく、それぞれのペンギンを識別するためにつけられるタグなのだ。
動物園や水族館では動物を個体識別できるようにしている。
ライオンやトラは個体数が少ないので見分けがつく、サルは顔で識別できる。
しかし、個体数が多いうえに、顔もそっくりな動物の場合、見分けがつかないので識別しにくいのだ。
例えばシカやウシは耳に番号のついたピアスをつける。
鳥は番号を入れたリングを脚に取り付けている。
ペンギンの場合、残念なことに脚が短いので、翼の部分に識別リングを取り付けているわけだ。
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