この60年間で死亡者数が10倍に増加している大腸がん。
現在がんによる女性の死亡者数の中で最も多いのがこの大腸がん。
そんな大腸がんを中心に消化器外科の専門医として年間400件もの手術を行っている聖マリアン医科大学の病院長の宮島伸宜氏によると、数あるガンの中でも早期の大腸がんは100%治るものだという。
どこまでが早期の大腸がんなのかというと、大腸がんというのは進行度合いによって6段階に分かれている。
大腸は5層構造に分かれていて一番内側の粘膜にできたガンと、そのひとつ奥にできたガンは早期となり、100%治せるというのだ。
一般的な手術はお尻から内視鏡で治療するやり方で、そこからワイヤーを出してガンをはさんで高周波の電流を流して切除する
ガンは転移するといわれているが、転移というと血液の中に入る、あるいは周りのリンパの中に入る事によって他の臓器に転移するが、大腸の一番内側に出来たがんは転移が起こらない。
完治しやすいガンなのに大腸がんは増えている理由には、早期の大腸がんは症状がない事にある。
大腸がんは、ある程度進行してくると痔に似た症状が出てくる。
そこで検査すれば良いのだが女性はお尻見せるのが恥ずかしいし、「痔だからいいや」と放っておいて来た時には進行してしまっている場合があり、手遅れというパターンがとても多いそうだ。
血便が出たら大注意
便が大腸がんをこすって出てくるので、腫瘍から出血して便と一緒に出てきて、痔とそっくりな症状が表れる。
大腸は太い物ではないので腫瘍ができると大腸が細くなり、細くなると固形便が来たときに通らない。
今まで太い便が調子よかったのに急に細くなって来た方も注意が必要。
女性にはカプセル内視鏡がオススメ
一般的な内視鏡の管をお尻から入れて大腸をみる検査が一番良いのだが、女性は恥ずかしがってなかなか受けてくれないのが問題だという。
しかし最近では新しい治療法で、カプセル内視鏡という検査がある。
これは3×1㎝ほどの超小型カメラが内臓された小さなカプセルを飲み、無線によって最大で1秒間に35枚写真を撮ることができる。
検査もすごく簡単で、病院へ行きカプセルを飲んで家に帰るだけ。
腰に受信機を付けてもらって10時間くらいで終わるので、翌日再度病院へ行けばOKなのだ。
値段の方も保険も効き、3割負担の方で2万4千円ほど。
また検査を受ける年齢に関しても40歳になったら1度は検査を受けてもらいたい。
何もなければ年に一度ほど検便してもらえれば早期の発見が十分期待できるのだ。
最新の大腸がん手術は3Dメガネをかける
最近の手術は映画館でもよく見るような3Dのメガネをかけて行っている。
なぜ3D映像にして手術をする必要があるのかというと、奥行きが出るので血管の立体構造が見えるのですごく楽なのだとか。
2D映像だと、どちらの血管が手前にあるのかわからないが、3D映像だと血管の細かな位置関係がわかるので細かい手術をしやすいというわけだ。
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