薬

ここ十年で急激に増えているのが片頭痛

過度のストレスなどが原因で脳内の血管が拡張し、神経を圧迫し痛みが起こる。

片頭痛は成人女性に多くみられ患者数は約840万人ともいわれている。

脳神経外科医の清水俊彦医師は多いときに1日300人の頭痛患者を診察し、頭痛に関する数々の著書を出版している頭痛治療の第一人者。

その清水医師によると驚くことに片頭痛を悪化させる大きな原因は市販頭痛薬を飲み続ける事だという。

頭痛薬を飲んでも飲み続けると治らないというのはどういうことかというと、慢性化した片頭痛の重症患者にはほとんど効果はないのだとか。

一般的に片頭痛というのはただの痛みではなく、痛みの水面下で脳が異常に興奮状態を起こしている。

その表面の痛みだけ薬でごまかし続けると、どんどん脳がちょっとした刺激でも興奮しやすい状態になる。

例えば月に10回以上、市販の頭痛薬を飲む方。

市販の頭痛薬には必ず「用法用量を守ってください」と記載されており、それを無視して飲み続けてしまう。

ひどい人だと1日2箱くらい飲んでしまう場合があるとか。

そういうことを続けてしまうと、どんどん脳の興奮状態が強くなって薬が効かない状態になってしまう「薬物乱用頭痛」という状態になってしまう。

最近の片頭痛を治す薬にトリプタン製剤というものがあり、これは片頭痛の痛みを和らげ脳の興奮状態をおさめる薬。

ひどい頭痛に悩んでいる方はぜひ一度、専門外来に行って見てもらう事をお勧めする。

 

頭痛薬がないときの対処法

清水医師が手元に頭痛薬も何もないときに勧めているのが缶コーヒー

缶コーヒーのカフェインには少し神経を鈍らせる作用がある。

もうひとつの大きな作用としてあるのがカフェインの利尿作用。

片頭痛のときは脳の血管がむくんでおり、カフェインの利尿作用で水分を外に出すことによって、むくんだ血管を元に戻してくれる。

またどちらかというと微糖の方が良く、少し糖分をとると脳の血管はさらに縮み、血管が縮む事によって片頭痛がおさまってくる。

片頭痛のときに温めるのはNG

片頭痛のときは脳の血管が広がっているので、アイスノンや氷などで冷やすことが効果的

温める事はNGで、温めるとかえって血管が広がって頭痛が悪化してしまう。

頭が痛いときによく肩を揉んだりすることがあると思うが、これも余計に血行がよくなって血管が広がってしまう。

片頭痛を肩こりから来ていると勘違いして、温シップを貼って肩もみをするのも良くない。

片頭痛というのは起こる1時間くらい前から異常な肩こりがでてくる。

肩こりでよくある緊張型頭痛と間違えて揉んだりすると、その後に頭がガンガン痛くなるのだ。

片頭痛と緊張型頭痛を簡単に見分ける方法

痛くなったときに下を向いてちょっと頭振ってみて、痛みがガンと強くなるような感じがでたら間違いなく片頭痛。

また片頭痛の人に気をつけてもらいたいのが脳を興奮させない事

冬のデートなどでスキーに行く人も多いこの季節、実はスキー場というのは片頭痛の人には最悪な場所。

冷えていて良いと思うかもしれないが、あの雪の白さの照り返しというのはすごく脳を興奮させてしまう。

また雪は降っているとキレイなイメージがあるが、雪は低気圧なので脳の血管を広げる。

スキーから帰って寒いからといって急に熱い温泉に飛び込んだりすると一気に脳の血管が広がるので、最高にいけないパターン。

脳を刺激させるという意味で、カラオケボックスもダメ。

大きな音、タバコのにおい、暗い中で光るミラーボールなど脳を刺激させる要素が盛りだくさんなのだ。

中にはパチンコ店で、片頭痛持ちの人が当たりを出した瞬間に強い光を浴びて倒れることもあるとか。

とにかく「片頭痛かな?」と思ったら安静にして、脳がリラックスできる静かな場所に行くことをおすすめする。

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