二千円札

このタイトルを見て、「あれっ、そういえば二千円札見ないけど、どこに消えたのかな・・・」と思いだした方も多いはず。

二千円札が発行された2000年には珍しさから一種のブームのように広まったが、他の紙幣と間違えやすい事などから、商売上すぐに嫌われてしまった。

またコンビニやスーパーなどでは、その日に売上で上がった二千札をまとめて金庫に保管し、銀行へ持っていくケースが増えたという。

二千円札に対応したATMも登場したが、実際のところただの二千円札回収機として扱われているようだ。

つまり経済活性化を目的に発行された二千円札だが、市場からその姿は消え、在庫として銀行にたまっていく一方なのだ。

日本銀行によると全国から集まった二千円札は6億枚にもおよび、2001年以降は新発行すらされなくなったという。

沖縄のATMでお金をおろすと二千札で出てきたりすることがあるらしく、また海外の空港でも外貨と日本円を両替するときに二千円札で返ってきたりする事例があるとか。

また悲しいことに、二千円札自体を知らない子供たちもおり、中には二千円札を偽札だと勘違いし警察に通報してしまった事件もある。

今のところ何の経済効果も生まなかった二千円札だが、たまたま手に入れられたら物珍しさから、少し嬉しい気持ちになるのは事実であろう。

偽札は警察に届けても交換してくれない

悲しそうな猿

たまたま両替でもらったお金が偽札で、後になって気づいたら・・・あなたならどうするだろうか?

はたして警察に届けたら、同等の金額で返ってくるのか?

答えは残念ながら「返ってこない」。

あやしいと思って銀行に持っていけば、鑑定はしてもらえるかもしれないが、それが偽札とわかれば、警察に届けるようにと言われるだろう。

警察に持って行っても、任意で提出を求められるだけで、同額の金額では交換してくれない

しかし、偽造通貨発見届け出者に対する協力謝礼金制度というものがあって、任意で提出した後に警察の捜査の助けとなれば謝礼金をもらうことができる。

後に提出した偽札が役に立って、謝礼金をもらえるかどうかは、その後の捜査によってわからないということだ。

それなら届けずに、そのまま使ってしまおうか?と思ったかもしれないが・・・

それはやめておいた方がいい。

なぜなら偽札とわかっていて使用してしまうと、その偽札を作ったのが自分でなくても、額面価格の3倍以下の罰金、または科料に処せられる場合があるのだ。

どちらにせよ偽札とわかった時点で素直に警察に届けた方が無難であろう。

ちなみに財務省のホームページには偽札を作ることも、使用することも犯罪になり、海外で作られた偽札を日本に持ち込むことも犯罪となる、とある。通貨偽造等の犯罪に対する処罰の例として、

通貨偽造・通貨変造罪(刑法第148条第1項)→無期または3年以上の懲役

偽造通貨・変造通貨の行使罪(刑法第148条第2項)→無期または3年以上の懲役

輸入してはならない貨物を輸入する罪(関税法第109条第1項)→10年以下の懲役若しくは3千万円以下の罰金、又はこれらの併科

知らないうちに財布の中に偽札が紛れ込んでいて、運悪くそれを偽札と知らずに警察に見つかって大変なことになった、などとならないよう気を付けたいものだ。

なお、海外で偽札が多く流通しているとされているのが、中国、インド、フランスなどが上げられる。海外渡航の際はご注意を。

ここで偽札を簡単に見分ける方法をご紹介。

1、凸版印刷をチェックする

印刷の一部にはお札の表面の左下に目の不自由な方のために作られた識別マークというものがあり、普通の印刷ではないインクの盛り上がりが確認できる。千円札は細長い長方形、五千円札は八角形、一万円札はL字型の識別マークがある。

2、すかしをチェックする

印刷した偽札にはすかしがありません。おそらくこれが一番わかりやすい方法。

3、ホログラムをチェックする

五千円札と一万円札にはキラキラと光るホログラムがあり、これをチェックすることでも判別することができる。しかし、ホログラム自体は剥がすことが可能のようなので油断は禁物。

同じ番号の紙幣がある!?

一万円札

よく刑事モノのドラマで、身代金の紙幣番号を控えるシーンなどを見たことがあると思うが、実際にそこから犯人が捕まるケースが意外に多いといわれている。

紙幣に番号があるのはご存じだと思うが、番号の付け方にはルールがあり、「記番号」と呼ばれている。

まず番号が記載されているのは表面の2か所で、左上と右下にある。

そしてアルファベットとアラビア数字の組み合わせによる通し番号によって紙幣を区別する。

最初の2文字はアルファベットで、中間の6文字は数字、末尾は1文字のアルファベットになっていて、その組み合わせはなんと129億6000万通りにもなる。

ただしアルファベットのI(アイ)とO(オー)に関しては数字の1(いち)と0(ぜろ)と似ているため使用はされていない。

組み合わせで約130億通りもあるのだが、無限ではない。では、もしこの組み合わせを使い切ってしまったらどうなるのか?

それはインクの色を変えることによって対応する。

インクの色の種類には黒色、青色、褐色、黒緑色があり、色の違う同じ記番号の紙幣が存在することになるというわけだ。

だからもし自分の財布に、たまたま同じ記番号の紙幣を見つけても、それを偽札だと勘違いしないように。

むしろとてつもない確率であなたの財布にあるのだから、とっておけばプレミアがついてすごい価値になるかもしれない。

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