高層階に住む子供

首都圏を中心に高層マンションの建設ラッシュが起きているが、もはや30、40階は当たり前、中には54階建て200mを超すモノまである。

しかし、これほど高い所で生活していると心理的影響はないのだろうか?

それを調べるために東京大学医学部で都内の高層マンションに住む6歳以下の子供たちを対象に調査した。

その結果、高層階に住む子供たちは、低層階に住む子供たちよりも自立することが遅いことがわかった。

例えば、「一人で洋服を着ることができますか?」という問いに「はい」と答えた割合は、低層階が79%に対し、高層階は48%。

「靴を自分で履けますか?」という問いに対しては、低層階が82%で、高層階が48%だったという。

この他にも、日常のあいさつや、後片付けなどの面で、高層階に住む子供たちはスコアが低かった。

これは、高層階に住む子供ほど外出する機会が少なくなり、親の干渉を受けることが多くなるのが原因だといわれている。

ちなみに子供ではなく、高層マンションで心理的影響を受けるのは親

高層マンションに住みたがる人は上昇志向が強く、周囲の人を見下す傾向があるといわれており、低層階に住む人たちとのトラブルがあるのも事実のようだ。

トイレのしつけが子供の成長に影響する!?

心理学の言葉に「固着」というモノがある。

これは、幼少期の発達段階に学ぶ体験が不十分な場合、大人になってもその段階に踏みとどまっていること。

乳離れが早すぎたり遅すぎたりする場合、「口唇期」に固着して口唇期的性格になり、成人になった後も唇に強い執着を残すといわれている。

その結果、指や爪を噛む癖が治らなかったり、タバコやアルコールが手放せなくなったりする。

排便時に肛門に快感を覚える1~3歳の「肛門期」においても、この時期にトイレのしつけに失敗すると、肛門期的性格になるといわれている。

排便を我慢することに快感を覚えてしまうと、自分のモノを手放したくなくなるケチな性格になり、逆に排便を垂れ流すことに快感を覚えてしまうと、自分のモノを手放して喜ぶ浪費グセがあらわれるそうだ。

トイレのしつけが終わり、4~6歳になると子供は「男根期」を迎える。

男根期は異性の親に対して性的意識が芽生え、男の子は母親に、女の子は父親に対して強い興味を示し、同性の親との間には葛藤が生まれる時期。

この時期をうまくやり過ごせないと、男の子は自分の役割が女性なのだと考えたまま成長して同性愛に向かう可能性があり、自分の役割が男性だと考えた女の子は、男勝りな気の強い性格になったりする傾向がある。

子供を追い込んでしまうダブルバインド

ダブルバインドとは、矛盾する2つのことを命令されて、どうすればいいのかわからなくなり、精神的に追い込まれた状態のこと。

例えば食事中の子供に「きれいに食べなさい」と言ったとする、すると素直な子供は指示に従って、こぼさないように慎重に食べるので普段より時間がかかる。

すると今度は「ぐずぐずしないで早く食べなさい」と叱ってしまう。子供にとって早く食べることと、キレイに食べることは矛盾してしまうので、どちらの命令を優先するべきなのかわからなくなってしまう。

このように知らず知らずのうちに子供をダブルバインドの状態にしてしまうことがあるのだ。

頻繁にダブルバインドを経験してしまった子供は、しゃべらなくなる、相手の話しを聞かなくなる、その場から逃げだす、などの反応をみせる。

ちなみに、精神科医のレインは統合失調症に悩む患者の多くが、幼い頃にダブルバインドを経験していたことを発見した。

神経系が慢性的に障害される疾患である統合失調症の原因すべてがダブルバインドによるものとはいえないが、関連性は高いといわれている。

子供へのしつけでは矛盾した発言をしないように気をつけたいものだ。

乳幼児期の甘えが足りないと性格が歪んでしまう!?

恋人が、最初は愛想がよく親しみやすそうだったが、付き合ってみると愛情を感じず、嘘をついたり盗みを平然としているような性格だった、なんて経験をしたことはあるだろうか?

もしかしたら、その人はアフェクションレス・キャラクター(情愛のない性格)だったのかもしれない。

アフェクションレス・キャラクターとは、成長後に表れる歪んだ性格のことで、ひどい場合には残忍な一面を見せることがあるという。

これには乳幼児期に両親が不在だったり、十分に甘えることができなかったために情緒不安定になり、性格が歪んでしまうのではないかといわれている。

アメリカのハロー博士が行った実験でこんなものがある。

生まれたばかりの2匹の子猿を別々の檻に入れ、片方の檻には針金で作った母猿の模型を置き、もう片方の檻には、本物の猿に似た感触の柔らかい布で作った母猿の模型を置いた。

すると針金で作った模型を置いた檻では小猿は興味を示さず、成長した後も、協調性が不足し、激しい攻撃性を示したという。

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